2019.1.12 (土)

第7回

場所:マンションの集会所

スパイシーな甘酒

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年明け初の活動日。今回は、いくつかの事情が重なって施設を借りることができず、小金井市にあるマンションの集会所に集まった。僕もマンションに住んでおり、小学生の頃同じような集会所で、クリスマス会をしたことがある。なんとなくそれを思い出させる場所であった。
会場に入ってから、ワークで使用する縄をつくるために、宮下美穂さんと縄を結った。結いながら、正月のことなどについて話した。

まず、花崎攝さんのワークから始まる。椅子取りゲームのような、フルーツバスケットのようなワークだが、言葉を使わずに行うため、なかなか難しい。
次に野口体操。これまでの体操に加えて、薄手の布を手で持ちながら、布も自分の身体の一部であるように意識して体操をする。どうやら僕はモノに意識を巡らすことはあまり得意ではないようだ。
その次は、棒を使ったワーク。2人1組になり2人の手のひらで木の棒を挟んで落とさないようにする。木の棒で慣れてきたら、次は紐。時には手のひらではなく肩を使い、時には目をつぶり、慣れていくと2人から3人へと人数を増やす。棒を落とさないためには、手の感覚で相手がどう動きたいのかを察して、対応する必要がある。言葉だけではなく、モノを介したコミュニケーションだ。言葉でのコミュニケーションと同じように、人が増えるに連れて難易度は高かった。
最後は、身体を使った表現。2つのグループにわかれて、あるテーマについて身体を使って全員で表現する。もうひとつのチームは、時間軸を入れた情景を表現していて見事だった。僕が参加したチームのことについてはここでは書かない。思い出したくない思い出もあるから。

途中で、マスターがつくってくれた、インド風の甘酒を飲んだ。味はスパイシーな甘酒。部屋が寒かったので、とてもありがたかった。
ワーク終了後、椅子で円をつくり、今後の活動について全員で話した。2月に報告会があり、その後に展覧会を予定していることを宮下さんが話す。その言葉に促され、展覧会の企画をどうするかについて、それぞれ話した。
印象的なのは、吉立開途さんのことだ。吉立さんは、途中から参加していなかった。僕はこれまで何度か半年から1年ぐらい継続する文化プログラムを受けたことがあるが、たいてい途中で参加しなくなった人は、再び戻ることはない。おそらく一度離れてしまうと、戻るのが気まずくなり、戻りたくても戻れないという状況に陥ってしまうのではないだろうか。企画について話す番が回ってきた吉立さんも気まずそうに話していた。だが吉立さんが「この活動の記録をつくりたい」と話すと、宮下さんが「面白いね!」と反応。結果、吉立さんはその後の活動に参加し、全員のインタビュー集を完成させた。あまりこういうことはないのではないだろうか。それを可能にさせたのは一体何なのだろう。

Text=松山雄大