2019.10.26(土)

第5回

場所:アーツカウンシル東京

体験からアートプロジェクトを考える

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Oeshiki Project≪BEAT≫を挟んで行われた第5回スタディ。この日は前半、≪BEAT≫に参加したメンバーの感想をシェアすることからはじめた(≪BEAT≫についてはこちらを参照:東アジア文化都市2019豊島ウェブサイト特設サイト)。

日常として入って来るのではなく、日常とはちょっと別の場所に≪BEAT≫という出来事があった、といった感想や、同じ時間を共有しつつ、“お祭り”というよりも演劇パフォーマンスとしてその空間や時間があったと感じた、といった感想、また、自分は≪BEAT≫の「参加者」としているつもりだったので、パフォーマンス中に「お客さん」と呼ばれたことに違和感を覚えた、といった感想も出た。「御会式」という伝統行事における日常とは異なる空間についてや、そこで出会ったひとたちとの時間の過ごし方や距離感にかんする感想が多かったようだ。スタディマネージャーの嘉原からは、体験型の作品において、クリエイションのひとたちが何かしてくれるという期待を参加者が抱いてしまうことや、逆にクリエイション側が過剰なサービスを提供してしまうということが起こってしまうことについて、クリエイション側と受け取る側とのマインドセットをどういうふうにすればより深い体験にできるか?両者のブリッジの架け方はどういうふうにすればいいのか?という投げかけがあった。それに対して石神からは、「お客さんのことを信じないで用意しすぎる、ということを手放したい」という回答が出た。「わたしが思っていることをみんなに経験してほしいというのはエゴで、それを飛び越えて体験するひともいるし、その可能性を殺してしまう方が嫌だから、なるべく手放して可能性を広げたい」。「自分の作品だからどうってことではなく、〔自分の作品が〕変化の一石でありたい」という石神のことばは、完成したものよりも過程/プロセスを大事にする石神の姿勢を示すものとして、とても印象に残るものだった。

後半からは、メンバーそれぞれの進捗状況を報告し合った。共有会後に行ったフィールドワークについて報告したり、自分が抱えているもやもやについて共有したり。具体的な目標がありつつも、それに対してまだはっきりとことばに成り切れていなかったり、設計が曖昧な状態だったりするメンバーもいた。スタディも後半に入り、いよいよエッセイの執筆がはじまる。11月には一度エッセイを執筆し、スタディ内でエッセイの共有を行う予定だ。

Text=高須賀真之