2019.11.30(土)

第7回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“工事”についての自由なリサーチ

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記録係の堀切梨奈子です。スタディ2、第7回目は11月30日(土)13:00から、ROOM302で行われました。

前回のスタディで東京の工事をパフォーマンスとして見ることはできないか、と考えたことをきっかけに、今回は各々がリサーチしてきた工事の報告を行いました。

東が紹介した千住仲町の工事は、仮囲いにオリジナルの新聞を掲示。そこには工事の進捗と、季節のトピック。調べてみると『魅せる!伝える!下水道工事コンクール』に参加している工事で、新聞はその取り組みのひとつのよう。私、堀切が紹介したのは、お茶の水の夜間のみ行われる工事。夜間は大きな穴が開いている工事も、昼間は綺麗さっぱり姿を消し、車道に戻ります。松野は、作業中のコンクリートポンプ車を動画で捉え「生命的な工事ぐるま」、仮囲いに巻きつけられた発光体に「意図しないぐるぐる」とタイトルをつけました。藤城がみつけた『路上工事情報』という国土交通省による工事マップからは、専用企業による工事と、道路管理者による工事があることがわかりました。稲継は工事の観察結果を、時系列に曲のタイトルのようにまとめ、アルバムタイトル集を作成。山崎は道路のインターロッキング工事における、職人の手仕事とその痕跡を観察。鈴木は2時間にもおよぶ長時間滞在による調査から、工事とまちのコントラストを発見。佐藤は繰り返し流れる注意喚起の音声の観察。酒井は横浜駅の工事に関する考察。成澤はテキストによる工事現場での体験を書き起こし。坂本はどうすれば工事が上演に見えるのかという視点から、ランマーの「ドドドド…」という音や、作業員さんの動きを観察してきました。西島は解体工事の定点観測や厳島神社の修繕工事など、過去の工事に関する写真のコレクションを見せてくれました。一括りに工事のリサーチ結果といっても、工事の種類も、リサーチの視点も、とてもさまざまです。

ディスカッションでは、工事で着目すべきはプロセスなのか、人なのか、できたモノなのか。また、目の前の工事を鑑賞するのか、工事という大きな現象を見るのか、リサーチしたものをどのように鑑賞に結びつけていくのか、といったことについて考えました。「新たにつくり上げて完成することよりも、維持・メンテナンスすることが工事なのでは」「実際にあるモノを観察することと、それをきっかけに東京全体を想像することを共存させる仕掛けをつくれないか」「工事自体は限られた時間のなかでタイムトライアルのごとく行われていると思われる。工事とはどんな距離感で作品をつくるのか」「工事自体はモノをつくっているけれど、同時に、工事という出来事をつくっていると捉えられないか」…様々な視点と切り取り方の可能性を話し合いました。

“公共”というキーワードから“ストリート”に至り、“美術のパフォーマンス”から“委任されたパフォーマンス”や“長い上演時間”という着眼点を得て、めぐりめぐって“東京の工事”を考えるようになったスタディ2。次回も引き続き、工事のリサーチと掘り下げを進めることに。共通のテーマは、東京、公共、彫刻。いったい、どんなアウトプットにたどり着くのでしょう。

Text=堀切梨奈子