2019.12.4(水)

第8回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“アンダーグラウンド”に思いをはせる

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記録係の堀切梨奈子です。スタディ2、第8回目は12月4日(水)19:00から、ROOM302で行われました。

まずは前回に引き続き、それぞれにリサーチしてきた工事の報告。最初は東と稲継。前回、東が紹介した『魅せる!伝える!下水道工事コンクール』にも参加している、千住仲町の工事現場の見学を報告。「なかの見学できます」の文字をみつけたのだそう。壁新聞やさまざまな情報が掲示される仮囲いのなか。その実態は、地下50m、マイナス3度の世界で繰り広げられる、大雨浸水の対策工事。この工事が完成すれば、千住仲町地域の大雨による浸水への対策は万全となるのだそうです。工事の職人さんたちは、エレベーターで地下50mまで降りていき、作業を進めていく。作業の工程はライブカメラで中継されており、現場監督さんの手元のタブレットで確認できる。そこから掘り出された土は、亀有で堤防になるのです。なんと、見学の最後には工事現場を背景にインスタントカメラで写真を撮ってもらえたそうで、とても楽しかったとのこと。工事事業者だからこそできる、アンダーグラウンドの楽しませ方だと思いました。坂本が同僚に聞いたところによると、このコンクール、迷惑工事と捉えられる下水道工事のイメージアップと工事の必要性を訴えるために行われているそう。生活に直結しているけれど、迷惑と思われてしまう切なさを感じました。ほかにも、藤城がリサーチした工事の重機からは、「パーグー運動」という重機災害防止運動を発見。松野は、整然と美しく配されたカラーコーンやロープのかけかたに対して「几帳面な工事現場」とタイトルをつけました。

ここまで2回にわたって工事のリサーチをしてみて面白いと感じたところを挙げてみると、工事位置を示した地図、作業員さんの優しさ、現場ごとに異なるホスピタリティ、形式的には上演に近いのに誰も見ていないところ、大道具のような重機や機材、手仕事であるところ…など、さまざま。

後半は、空想地図作家の地理人さんも加わり、ざっくばらんにアンダーグラウンドについて思いをはせる時間。実は地理人さん、空想地図をつくるにあたり、アンダーグラウンドの水道管やガス管を直接計画することはないそうです。なぜなら、空想地図上で道路を計画すると、アンダーグラウンドも基本的には道路計画に順ずることになるため。道路は貴重な、線的につながる公共用地なのだそうです。ほかにも、大深度地下や、ロシアの地下鉄が核シェルターになっている話、自分が地下にいることを意識するきっかけ、南北線のふれあいコーナーなどなど…。いろんなトピックをめぐっていきます。また、地理人さんの「公共とそうでないものの境目は、人によって認識が違うと思う。例えば駅は民営であっても、公共空間だと考えている人もいる」という発言をきっかけに、「ヨーロッパは窓から見える景色が公共だけど、日本は地面の境界線で公共を判断している」「歩車分離の考えが流行したときに、横断歩道を避けて地下道が多くつくられた」「地元の地下道が、メンテナンスされずに封鎖されてしまった」など、公共と地下に関するいくつかのエピソードも話題に挙がりました。

最後には、今後どんなアウトプットをするのかのアイデア出しを少し。何を素材にして、何を足していくのか。どんな仕掛けが必要なのか…。次回はアウトプットの提案も含めて、引き続きリサーチをしてくることになりました。

Text=堀切梨奈子