2018.11.11 (日)

第3回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

他者を通して自分の関心を知る

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暖かく晴れた11月の日曜日。第3回目の活動日は、午前中に二つの課外活動の誘いがあった。一つは瀬尾夏美が企画した、江東区の水辺を巡りながら、戦災の跡を知るまち歩き。「江東区の水辺に親しむ会」のメンバーの一人、奈良朋彦さんを案内役にお迎えし、午前9時から昼過ぎまでかけて、まち歩きを楽しんだ。前回、東京大空襲・戦災資料センターを訪問したことを糸口に、被災体験に関心を抱いたメンバーが参加し、今もまちに残る戦災の痕跡を辿った。
もう一つは、メンバーの橋本佐枝子が参加を呼びかけた、「虐待と共に生きるということ」という講演会。虐待当事者の話を聞くという内容のもので、こちらに参加したメンバーもいた。

午前の活動が長引いたため、午後1時の開始時間にやや遅れて集ったメンバーたち。各々の活動報告がされたあと、これから「ひとの話を聞く」ためには、具体的に聞きに行く対象を決めなければいけないことを確認。そのために年内に一度、誰かの話を聞きに行くという目標が掲げられた。
しかし、そうは言ってもなかなかその対象を定めることが難しい様子。そこで、メンバーの関心がどこに向かっているのかを示すために、NOOKのファシリテーションによる「聞く、語る、編集 ワークショップ」が開かれた。これはNOOKが仙台の東北リサーチとアートセンター(TRAC)を会場にして行った展示「立ち上がりの技術vol.3『とある窓』」での聞き書きの方法をベースにしているという。
まずは三人一組になり、Aさんが自分の現在の関心について話し、Bさんはその聞き手となる。BさんはAさんから話を聞き出し、同時にCさんはサブの聞き手としてその場に立ち会う。10分で話を終えると、今度はBさんが話し手、Cさんがメインの聞き手、Aさんがサブの聞き手……と、3人が各々役割を交代しながら順繰りに続ける。
一通り話を聞き終わったら、今度はメインの聞き手であるBさんがAさんの話を文章にまとめる。書き終わったら、サブの聞き手であるCさんとその文章の内容について話し合い、再度Bさんが一人で文章を編集、成型して完成、という流れ。
この日は参加したメンバーが6人だったので、ちょうど2組ずつグループをつくり、各々手順通りに話を聞き、語り、その内容を編集した。その結果、自分では意識していなかった角度から関心を整理されたことに意外な顔をするメンバーもいれば、改めて自分の関心事はこれだ、と確認するようなメンバーも。今、話を聞きたい人の姿が少し具体的になってきたようだった。

また、11月24日(土)には小屋竜平をファシリテーターとして、相談、雑談などを自由に行うオープンラボデイを開くことが決定。定例活動日が授業ならば、オープンラボデイは放課後のように過ごせるような場にしよう、となった。

Text=高橋創一

関連資料

11月24日オープンラボデイの報告メール
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差出人:小屋竜平

2018年11月27日(火)

件名:11月24日オープンラボデイの報告

ラボメンバーの皆様

24日(土)は、前回欠席した足立靖明さん、佐藤李青さん、瀬尾夏美さんが集まり、16時から22時くらいまで、あてどもなく関心のあること、相手の関心を受けて引き出された自分の興味などについて話しました。

お笑いこそが最強のコミュニケーション力である、という吉本興業のスローガンにおける瞬間的なもののみに向かっていく姿勢と歴史や文脈の捨象や、東京で誰かに聞きにいくことの難しさ、自分の内面に遡行していくことの困難さ、ラップにおける型の問題、大阪万博の話、自己啓発について、昔出た夢に出てきた犬のジェントルマンの話、SF小説あなたの人生の物語のなかの一挿話について、あえて退屈であることをめざすブラックメタル、音楽は家具に近づいていくのではないかなど、関係あるようで関係のない話や、関心というには軽薄にも思えるかもしれないが面白い話などが緩やかに連関し、あっという間の時間でした。

オープンラボデイは、何か目的を持って始まるのではなく、集まった人たちで互いにおしゃべりをするなかで、
その日にやることを決めたり、決めずに過ごしたりする放課後タイム的なものにしばらくしてみようと思っていますので、また予定など提案したいと思いますー。

では記録というには、少しざっくばらんな報告になってしまいましたが、以上となります。
これからもよろしくお願いします。

小屋竜平

第3回についてのお知らせメール
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差出人:佐藤李青

2018年10月23日(火)

件名:第3回についてのお知らせ

スタディ4のみなさま

先日は東京大空襲・戦災資料センターでの濃密な一日おつかれさまでした。
それぞれでご自身の関心から、さまざまな問いを受け取ったのではないでしょうか。

そこで誰かの「話を聞く」ことから始めるラボとしては、この「出会ってしまった/受け取ってしまった」という感覚を大事にし、
前回を深めるかたちで次回以降を進められないかと思っています。
具体的には、次回は初回のように各自の関心を発表しあう、
それまでにオープンラボデイ(小屋竜平さんと日程を合わせてROOM302で集まる日)を設定し、
事前に関心をブラッシュアップする機会を持つ、ということを想定していましたが、
ひとまず、今回はオープンラボデイを延期し、次回は早乙女勝元さん、山本唯人さんの話や
センターに行ったことで自らの関心と結び付いて考え始めてしまった「問い」を共有し、深める回にするのはどうかと考えています。

■ 次回の課題について
つきましては、次回の課題は以下のふたつです。

(1)戦災資料センターを訪問しての感想(500字以内)
センターを訪問し、早乙女さん、山本さんの話を伺ったことで、
ご自身の関心にひきつけて考え始めてしまった「問い」や
今後取り組みたい(取り組んだほうがいいと思ったこと)を書いてください。
〆切は、11月5日(月)です。
(前回同様にいただいた感想は次号の『ラボ通信』に掲載します)

(2)早乙女勝元さんへの手紙(形式自由)
次回11月11日(日)にご持参ください。
当日回収して、ひとまとめで早乙女さんへお送りします。
(もちろん、それぞれの手紙の内容は全員で共有はしません)

11月以降は、感想で書いたことを軸に実践を進めていくことを想定しています。
何か不明なことなどありましたらご連絡ください。

次回は11月11日(日)13時からROOM302ですが、
午前に有志で江東区のまち歩きをしてみてもいいかなと計画中です。
こちらは追ってご連絡いたします。

急に寒くなってきましたので、ぜひ暖かくしてお過ごしください!
どうぞよろしくお願いいたします。

佐藤李青

第3回についてのお知らせメール2
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差出人:瀬尾夏美

2018年11月7日(水)

件名:第3回午前中のフィールドワークについて

ラボメイトのみなさま

こんにちは!
NOOK瀬尾です。

直前のご連絡になってしまい恐縮ですが、
11/11(日)の午前中にラボメイト限定のフィールドワークを企画してみました!
江東区の水辺を巡りながら、戦災の跡を知る町歩きです。
案内人は、「江東区の水辺に親しむ会(http://koto-mizube.org)」の
メンバーでいらっしゃる奈良朋彦さんです。
奈良さんは、震災直後から岩手県住田町の仮設住宅のコミュニティ支援をされている方で、
小森と瀬尾が陸前高田で継続している「てつがくカフェ」の運営メンバーでもあります。
震災前は江東区でまちづくりの仕事をされていて、
お仕事の中でも、戦争体験のお話を聞く機会が多かったそうです。
また、奈良さんは、「土木工学とコミュニティ」を研究分野にされていた方でもあり、
東京都の都市計画についてもお詳しい方です。

当日は、最初の30分ほどは座学で、
江東区を中心とした東京都の都市計画について、江戸時代あたりから
震災、戦災を経た現在までを通して解説してくださるとのことで、
その後、戦災で焼け残った建物や史跡を巡るかたちで、実際にまち歩きをします。

当日はちょっと早いですが、9時開始となります。
橋本佐枝子さんのイベントと重なってしまい恐縮ですが、
貴重な機会ですので、ご関心のある方はぜひ!

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江東区のまちあるき
集合場所:「江東区の水辺に親しむ会」事務所
      東京都江東区白河1-3-13-106
この事務所は、清洲寮という戦災で焼け残った建物にあるそうです。
集合時間:9時(12時終了予定)
講師:奈良朋彦(邑サポート/江東区の水辺に親しむ会)
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寒い日が続きますが、
風邪などひかないようにお気をつけください!

瀬尾夏美