2018.10.27(土)

第3回

場所:小金井アートスポット シャトー2F

山形、徳山、くじら山

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シャトー2Fのギャラリーは展覧会などが開催されるスペースで、コンクリート造りの何もない空間だ。そのまま座るのは冷たいので、シートや座布団が敷いてある。ギャラリーに入ると、適当に荷物を置き、シートに腰をかけた。
まずは、前回のワークでの気づきをもとに宮下美穂さんが出した3つの宿題を発表した。

①野宿の記

野宿をめぐるイメージや記憶について、エッセイやスケッチ、写真など(写真+エッセイも可)を書いてみましょう。文字数は問いません。
私は、多摩川の土手のネムノキの下が気に入っています。寝転んで夜空を見上げたらどんな風かな、などと思うことしきりです。

②身近な人々

みなさんの身近な人を写真に撮ってください。その人について小さな文章を書いてください。ケータイでもデジカメでも構いません。1,000文字以下の文章を書いてみましょう。文章の形式は問いません。

③感覚のフィールドノート

日々感じる様々なことを、色や形で描いてみましょう。
郷愁を感じたとしたらその郷愁から想起される色や動きを描いてみましょう。嬉しかった時は? こんちくしょーの時は? 
最初はたくさん描く必要はありません。感覚と感情は少し違うかな?

各自やってきた宿題をギャラリーの壁に貼り、みんなで鑑賞する。そのとき芦沢友紀子さんの息子さんの話を初めてきいた。2つのグループに分かれて感想を交わす。僕は、チューターの渡辺智穂さんとマスターのチームになった。
よく覚えているのは、平田絵美子さんの絵についてだ。「自分の感情を表した」と言っていたが、僕はどちらかといえば文章で表現するタイプなので、絵で自分の感情を表現できるということに対して素朴に驚いてしまった。

ディスカッションの後は、休憩を挟んで、ゲストアーティストの話をきいた。
揚妻博之さんからは、故郷である山形でのリサーチの報告を。話の中に出てきた農道、鉄塔、海岸をイメージする。農道をあるく揚妻さんを思い浮かべてみる。
アーティストのリサーチについて報告を聞くのは多分初めてだった。印象的だったのは、揚妻さんが質問の答えに詰まっていたこと。おそらく、まだ言語化できていない感覚があるのだろう。自分の言語化できない感覚に向き合う、それがアーティストなのか、と思う。

次に大西暢夫さんから岐阜県徳山村の話をきく。ダム開発の実態や、それに対する大西さんの考えをきくと、ひとつの村がなくなることがいかに重要な問題かがわかる。しかし、そういった深刻な状況においても大西さんの撮る写真に写る人物や紡がれる言葉は、とても生き生きとして楽しそうである。徳山村のおばあさんの「長浜へ嫁に行った人がいる」という一言を頼りに長浜へ行ってみたところ実際に見つかった、という話をしていたときの表情は忘れられない。

その後、みんなで小金井公園にある「くじら山」という丘に向かった。歩きながらメンバーと話をした。特に辻隆公さんとは、人類学の視点から大西さんの話はどういう風に捉えられるのかということなどを話した。
話の中で僕が過去に演劇部にいたことを話す。すると後ろできいていた宮下さんが、「じゃあ、松山さん演劇やろう!」と言い、唐突に演劇をやることが決まってしまった。高校生以降ほとんど触れていないのに、大丈夫なのだろうか。まあしかし、やってみようかな、そう思いながらくじら山へ向かった。

Text=松山雄大