2020.9.13(日)

第2回

場所:Zoom

私たちは本当に出会ったのだろうか

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第1回と同じくオンライン会議ツール「Zoom」を利用し「ビデオはOFF」で始まったプログラム。「イマジネーションワークショップ02」と題してワークが実施された。

「私たちは本当に出会ったのでしょうか」。

プログラムの冒頭、ナビゲーターの南雲麻衣と和田夏実はこう共有する。偶然会うこと、ある場所で一緒になること、男女が密会することなど、まずは「出会う」の定義を振り返った。

そして、メンバー同士がお互いの顔を見せ合う時間が迫る。出会いに備えて、それぞれが「新しい挨拶」を考え、画面上に共有された「せーの」の文字と和田の発話をきっかけにしてビデオをONにした。

お互いの顔が画面上を通して情報として追加された後は、「最近出会ったもの」をテーマに緩やかに話し、これまでとは違うコミュニケーション環境を味わった。

次に実施したワークは「動きの記憶をもとに『身体と出会う』」。

「電話をかけるという動作ひとつとっても時代や環境によって、表現の仕方は変わってくる」と和田は共有し、メンバーそれぞれの動きの記憶を辿っていった。まずは「最近した動き」を思いつく限りZoomのチャット欄に書き出す。すると「キーボードを叩く」「スクワット」「喋るために舌を動かす」などさまざまな動きが、物凄い速度で書き込まれていく。その後、書き込まれた動きで気になったものを振り返りながら一部動きを再現し、記憶のなかから出た動きを身体で再確認した。

少し振り返るだけでも日常生活のなかにさまざまな動きが存在しており、それらは無意識に行われていると気づく。続いて「いつかしてみたい動き」を書き出し、同じように動きを再現。「低空飛行」「水の底で寝る」「頭のなかに入る」などが出てくる。具体的な動きだけではなく、抽象的な動きまで生まれていた。

続いて行ったのが「想像のジェスチャーゲーム」だ。ナビゲーターから出たお題をメンバーそれぞれが再現。2チームにわかれ、片方のチームが再現をする側になり、もう一方がジェスチャーからどんなお題が出されているのか回答する。「2045年の朝ごはん」「平安時代の睡眠」というお題をもとに、どうすれば他者に伝わるのか、自分の身体を使い実験。画面を通して「身体」を軸にしながら、何かと出会った。

次に共有されたキーワードは「意識」だ。和田は哲学者の稲垣諭先生の言葉を引用し、意識とは何かを紹介する。

「基本的に普段の生活はほとんど無意識。ドアノブを掴んで戸を開けるとか、今こうやってしゃべっているのも多分無意識。でも、しゃべっている途中で、『あ、ここ補足したほうがいいかな』と思うことがありますよね。このとき、意識が出現するんです。生活の中の『気づき』『違和感』『ためらい』によって、水面からトビウオがぴゅんっと現れるように意識が現れる」(「意識」ってなに?——稲垣諭氏インタビューより)

私の意識が何に惹かれて、何に出会っているのか。それらをたどるため、手元にあるスマートフォンやカメラを持って「なんだか気になったもの」を撮影するワークを実施。撮影したものは写真アプリである「Google フォト」にアップロードした。至近距離から撮影した麦わら帽子の編み目、床に残されたテープの跡、ベランダで脱ぎっぱなしになっているサンダル、近くの公園にあるあひるの遊具などそれぞれの意識から出会ったものを一緒に眺め、そこで終了時間を迎えた。

あるメンバーの日誌には次のようなことが書かれていた。

「人はどうして写真を撮るんだろう?そんな問いがずっと自分のなかに燻っている。記録のため?撮影者が見た景色と、撮られた写真に写るものは本当に同じなんだろうか。Googleフォトに重なっていくイメージの数々を遠目で眺めていると、一枚一枚の写真が私たちの手から離れて勝手に会話をはじめている。もっとこの身体や身の回りのものとフラットに繋がってみたい」

ナビゲーターの和田は、今回のワークショップを次のように振り返っている。

「『出会い』を考えたときに、出会ったときに『私』が必要じゃん、というシンプルな状況に戸惑って、いや、『私』は全然歴然といることも認識はしているんだけど、飛び込む・受け取るという近づき方を考えてきた自分にとって、『えっと、私って?』とふとなりました。出会う、まだまだまだまだ答えはでません」

「本当に私たちは出会ったのだろうか」「出会うとはそもそもなんだろうか」。この問いに立ち止まり、さまざまな出会いのかたちを模索した今回。

自分自身の動きの記憶や意識から何かと出会おうとすること、それは自分の内側に飛び込んでいく時間と言えるのかもしれない。自分の内側に飛び込み、出会ったものを共有し、そこで違う人の言葉が付与される。それによってまた出会い直す。さまざまな出会いのかたちを行き来して、次回の出会いの先にあるものに思いを寄せながら、第2回のワークを終えた。

Text=木村和博