2020.8.22(土)

第1回

場所:Zoom

私にとっての「移民」とは

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この日は欠席者2人を除く10人が参加。学生や編集者、衣料品店マネージャー、IT企業社員、タバコ屋店主、国際交流団体職員など、さまざまな職業のメンバーが初めて顔を合わせた。

最初に参加者が5分ずつ、応募動機の説明に加え、「自分のルーツがある場所」というテーマで用意してきた画像を見せながら自己紹介。

小学生のころに近所で友人と遊んでいる写真や、自宅近くの自然風景、幼いころから好きなお菓子の写真などを共有しながら、「自分は近所の祭りなどがない地域で生まれ育った。だから地元にルーツがあり、コミュニティがある人に憧れを感じていた」などと、自身のバックグラウンドについて語った。

続いて、3テーブルに分かれて20分間のディスカッションを実施。「『移民』とはどのような人を指しているか」というテーマで、インターネット検索禁止というルールの下、それぞれが抱える移民へのイメージを棚卸しした。
「選挙権がないなど、制度的な制限が多い印象がある。在日コリアンの友人は見た目も話し方も日本人と変わらないのに、選挙権がない」「上の世代の移民の人は見下されたりして、かなり差別を受けていたイメージ」「難民に比べると、極端にネガティブではない理由で来日した人というような印象がある」「一流企業のホワイトカラーの外国人も移民なのに、『移民』と聞くとなぜかブルーカラーのイメージを持ってしまいがちでは」など、参加者が自身の思いを率直に告白した。

その後、全体ミーティングで各テーブルのリーダーがディスカッションの内容を共有。さまざま異なる議論の様子が紹介され、ひとりひとりが熱心に耳を傾けていた。

続いて再度メンバーをシャッフルしてテーブル分けし、他テーブルの意見も聞いた上で、改めて移民に対して抱いたイメージを議論。

「日本で働く外国人はみんな移民なのに、なぜか工場勤務や飲食店従業員などのイメージが強く、『貧困』と結びついて考えている気がする」「日本人は移民になり得ないと考えていたが、よく考えれば戦後は日本人もブラジルなどに移民として移り住んでいた」「『なぜわざわざ日本のような国にやってくるのか』というように自国の良さを理解していないからこそ、『こんな国にやってくる移民は相当の理由があるはず』というネガティブなイメージを抱いているのではないか」など、これまで自身が抱いていた移民のイメージの根拠を問い直す声が聞かれた。

全員での議論の共有を改めて行った後、第2回スタディのゲストで、外国人人材の育成事業などを行う一般社団法人kuriya代表理事の海老原周子さんに聞いてみたいことを、再度テーブルごとに相談。

「移民という言葉ができた経緯を時代背景と合わせて知りたい」「海老原さんが考える、現地人と移民の統合教育の理想的なかたちとは」「移民と難民の定義を明確にしたい」など、ひとりひとりがこの日の複数回のセッションを経て感じた、移民に対する疑問点を整理し、この日のスタディを終えた。

移民とは何か、「背景が異なる」とはどんな状態なのかーー。突き詰めて考えることを通し、自身の内にある矛盾や偏見などに気がついて初めて、ハードル克服に向けた道のスタート地点が見えてくる。12人それぞれの自己変容が始まった。

Text=鷲見洋之