2018.9.22(土)

第1回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

「東京」で「つくる」を考えるために

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「東京でつくること」を入口に、それぞれが抱えている課題や関心を軸に徹底的に対話し、議論を生み出す方法を身体化していくことを試みる――。こうした問題意識を投げかけ、それに賛同したメンバーとともに前提を問い、言葉にする時間がこの日から始まった。果たして、どのようにこの企ては進んでいくのだろうか。
まずはナビゲーターの石神夏希(劇作家)が参加しているプロジェクトのチラシやドキュメント、彼女のブログ記事「東京といつまで他人でいられるのか問題」などが配布され、それにメンバーたちが目を通す。このスタディのテーマである「“東京でつくる”ということ」は、何より石神が現在進行形で向き合っている課題なのだ。
初回ということもあり、やや緊張した雰囲気が漂う中、石神が「リラックスして、できるだけいろいろな話をして、言葉を交わしていきたい」と声をかけ、くじ引きをして座る順番を入れ替え、さらに「私自身をケーススタディとして、皆さんにさらすことから始めたいです。この場は、それぞれが思っている“東京(でつくること)”に対する手の届かない感じ、クリアにしたい感じにアプローチしていける場になれば良いなと思っています」と言葉を発した。
最近東京に引っ越し、これまで3331 Arts Chiyodaを訪れる際には電車を利用していたが、今日初めてバスに乗り、それが新鮮だったと言う石神。これまで全国のいろいろな場所で演劇作品をつくり、今は豊島区での大きなプロジェクトが控えている。そのプロジェクトに関わる中で、住んでいる場所自体はローカルで、その実感を伴うものだが、「○○区」「東京都」という大きなフレームだと茫漠として語ることができない感じがあると説明。「東京でつくる」という大きなコンテクストにどう触れられるか。そのような具体的な課題について、抽象度を上げて言葉を交わしたいと言う。

続いて、メンバーたちの自己紹介。ぐるりと輪になり、互いにインタビュアー、インタビュイーになり、「いま、東京について思っていること」を話していく。自分がインタビューされたら、次は隣の人へインタビュー。ほかのメンバーにも積極的に質問をしていく。
映画を撮りたいから、物事の前提を問い直したいのだという人。東京のあるまちで演劇のプロジェクトを展開している人。東京でものをつくっているから、東京のことを考えたい人。「東京についても、“つくる”についてもこじらせている」という人などさまざまだ。
インタビュー形式での自己紹介は、インタビューする側とされる側の個性が折り重なって、予想以上にユニークな話の展開となり、個人個人が抱えるモヤモヤや気になっていることを、皆で共有する場となった。

また、これから次の回までにメンバーはエッセイを1本必ず執筆する。今日聞いたこと、感じたことを持ち帰って熟成させ、一人になって言葉にしていく作業である。エッセイのテーマは特に設定せず、各々がその回のディスカッションを経て内容を決めることに。
東京で育った人も、育っていない人も。何かをつくっている人も、つくっていない人も。「東京」ってなんだろう? 「東京」ってどこのこと? 「つくる」ってどういうこと? さまざまな問いを抱えて、興味も専門性もばらばらの14名によるスタディが始まった。

Text=岡野恵未子