2018.9.14(金)

第1回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

ミュンスターへの傾向と対策

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いよいよ迎えた初めての活動日。「ミュンスター彫刻プロジェクトへの招聘を目指す!」と高らかに謳い上げた「2027年ミュンスターへの旅」だが、果たしてミュンスターへ至る道程をどのようにかたちづくっていくのだろうか?

まずは自己紹介からスタート。アートNPOでアーティスト支援を行う人、社会と文化を学ぶ傍らコンテンポラリーダンスを踊る学生、建物をつくる時にアーティストとコラボしてインスタレーションをつくる建築関係者、長年アートをみることが好きな人など、様々なかたちでアートや表現活動に関わってきた人たちが集まった。
続けて今回のナビゲーターのひとり、佐藤慎也によるレクチャー「ミュンスター彫刻プロジェクトのアーカイブからみる傾向と対策1-1977、1987、2017」が行われた。このレクチャーにあたっては、佐藤がミュンスター彫刻プロジェクトのWEBアーカイブから、すべての作品を年代、作品形式、設置場所、所有者などの情報別にリストアップした資料を作成し、それを用いて解説を行った。
2017年のミュンスター彫刻プロジェクトを4日間かけて、ほぼ全作品みてきたという佐藤。ミュンスターという街の特徴、プロジェクトの名称が回を経るごとに微妙に変化していること、作品数と現存数、ディレクターに関する解説などを交えながら、これまでの作品を読み込んだ。そこから浮かび上がった疑問やポイントを整理すると、「“彫刻プロジェクト”と銘打ってはいるが、実際には、2017年などにパフォーマンスのような表現も含まれてきている。次回2027年に開催される際の作品形式の変化も想像できるのではないだろうか」と語る。

後半は、レクチャーの内容に対してそれぞれの感想を交わした。佐藤は、ミュンスターの10年というスパンに影響を受け、2018年に大地の芸術祭越後妻有 アートトリエンナーレで2009年と2000年の作品を意識しながらまわってみると、新作と蓄積された作品とを同時に楽しむ面白さ、かつて新作としてみた時と現在の見え方の変化などを感じたという。ほかにも、どうして「彫刻(sculputure)」という言葉がプロジェクト名に冠されているのか、作品と地域の関係性、芸術祭後も残る作品の所有や維持管理は誰が主体となっているのか、などが話題に挙った。
まずはミュンスター彫刻プロジェクトについての基礎教養を身につけることから始まったこのスタディ。次回は3日後、今回のレクチャーの延長として、1997年と2007年の回に現地を訪れている美術評論家・村田真さんをゲストに招き、ミュンスター彫刻プロジェクトを振り返りながら話を聞いていく。
「みんなで彫刻を見るフィールドワークに出かけたい」「彫刻の専門家に話を聞いてみたい」など、今後やってみたいことを各々に挙げながら、初回を終えた。

(Text=堀切梨奈子 Photo=︎加藤甫)