2019.2.21(木)

第11回

場所:TOPPING EAST

10回の活動を振り返って

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今回は、週末に控えた報告会への準備も兼ねて、これまでの活動を皆で振り返った。これまでにワークで使われた資料を取り出し、第1回での音楽史や音楽メディアの変遷に関するトピックと、その中に個人的な「人生で最も影響を受けた曲」「最近よく聞く曲」をプロットした紙と、第4回で行った「実践—消費」を縦軸、「社会関係活動—経済活動」を横軸として、四象限の中に音楽に関する役割をマッピングしていくワーク、このふたつのワーク結果を壁に貼り、それを見ながらこのスタディのテーマである「音楽の現在点と座標軸」という視点に立ち返り、各回の内容を位置づけていくには、どのような座標軸を設ければいいのか話をしていくことに。

メンバーからは、全体を通してみるとフェスの話題はあったが個人で音楽を聞く媒体(ウォークマン、iPod、サブスクリプションなど)にフォーカスした回がなかったことが指摘されたほか、別のメンバーからは、これまで音楽は客体として存在するものだと思ったが、和田永さんをゲストに迎えた第2回を経験したことで、人と作用しあえる行為としての存在だと考え方が変わったと語られる場面も。
「公共と音楽」というこのスタディの根幹にあるテーマについては、ブルース・イケダさんをゲストに迎えた第6回は経済活動に軸を置いた話だったが、そこから公共というものを逆に考えさせられたという意見や、第8回の公共空間を使用する際のクレーム問題に触れて、何かをアクションしたときに跳ね返ってくる問題をどう処理して次に進めていくかが非常に大事だという声があがった。
ほかにも、和田さんがつくる楽器は単音が鳴る電子楽器であるため、人の感覚に訴えかけるものがあるのではという問いかけや、蓮沼執太さんのビデオインスタレーションは始点と終点が決められておらず、そのことが蓮沼執太フィルのコンポーズにつながっているのではないかという考察、zAkさんは職人というよりもアーティストで、その良さを言葉で分析するのが難しいといったゲストに関する感想もあった。また、コンピュータと音楽の関係性やサウンドデザインの領域などもこういったスタディの対象として面白いのではといった話が盛り上がった。

清宮陵一は前回zAkさんと話したときに、音楽における「ソーシャル」という言葉の意味がわからないと言われた話を共有し、第4回の表では経済活動と社会関係活動(ソーシャルなもの)を対立軸として想定していたが、確かにもっと「ソーシャル」の意味を考えないといけないと言い、抽象的な概念の定義づけを改めて考えている様子。また、報告会でマッピングをする際に「実践—消費」という縦軸があまりしっくりきていないので、このままでいいのか迷っているという声も清宮からあがり、「プレイヤー―それをサポートする人」という軸もあるのではといった応答がなされた。週末の報告会では、その場で議論をしながら全体を振り返り、「音楽の現在点と座標軸」についてのポジショニングを行うことを確認し、この日は終了となった。

Text=高橋創一