東京プロジェクト
スタディとは?

Tokyo Art Research Lab「思考と技術と対話の学校」で展開する、
アートプロジェクトの核をつくるための実践です。

“東京で何かを「つくる」としたら”という投げかけのもと、
ナビゲーターが参加者と共にチームをつくり、
スタディ(勉強、調査、研究、試作)を重ねます。

2018年度は、アーティスト、ディレクター、プロジェクトの事務局など、
関心や属性の異なる5組の「つくり手」がナビゲーターを担当。
それぞれのスタディには、アーツカウンシル東京のプログラムオフィサーが伴走し、
学びのサポートをしました。

このウェブサイトは、それぞれのスタディがどのように
「何かをつくる手前の時間」を過ごしたのかを記録するものです。
何を、誰と、どのように向き合ったのか。
スタディの活動と、同時期に並走するナビゲーターたちの創作活動に目を向けます。

そのプロセスや、そこで生まれたことばや手法を蓄積する素材庫は、
いつかの誰かの「つくる」ヒントになるかもしれません。

わからなさ、複雑さ、そしてときに遠回りすることを大事にしながら
予定調和に陥らない「つくる時間」に身を置く実験を、
ぜひ追体験してみてください。

東京プロジェクトスタディ:7つの特徴はこちら

2019年度のスタディについて詳しくはこちら

開催概要


Tokyo Art Research Lab (TARL)

アートプロジェクトを実践する人々にひらかれ、共につくりあげる学びのプログラムです。
人材の育成、現場の課題に応じたスキルの開発、資料の提供やアーカイブなどを通じ、
社会におけるアートプロジェクトの可能性を広げることを目指しています。
https://tarl.jp

「東京プロジェクトスタディ」ウェブチーム

編集:川村庸子、高橋創一
ウェブディレクション:萩原俊矢
ウェブサイトデザイン:井山桂一(GRANDBASE inc.)
プログラミング:萩原俊矢、多田ひと美(GRANDBASE inc.)
制作アシスタント:岡野恵未子(アーツカウンシル東京)
企画統括:坂本有理(アーツカウンシル東京)

2018

「東京でつくる」ということ

前提を問う、ことばにする、自分の芯に気づく

物事に向き合うときや他者と出会うときの、
自分の思考の「軸」や「態度」を捉え直す思考実験の場を立ち上げます。

東京でつくる必然性とは何か。「東京でつくること」を入口に、
参加者それぞれが抱えている課題や関心を軸に徹底的に対話し、
議論を生み出す方法を身体化していく試みです。

芸術文化に携わるなかで、大事だと分かっていても、
なかなか日常的に話せない「前提を問う」こと。
一心に考え、聴き、言葉にすることを繰り返し、他者と共有していくことは、
ともすれば日々のタスクに追われておざなりになりがちです。

いま一度、「つくること」を捉え直したい。
さまざまな背景を持つ参加者と共に、それぞれの考えの違いに戸惑い、
思考のゆらぎを感じながら、繰り返し議論を進めることで「つくる姿勢」の体幹を鍛えます。

ナビゲーターメッセージはこちら

ナビゲーター

石神夏希(劇作家/ペピン結構設計/NPO法人場所と物語 理事長/The CAVE 取締役)

メンバー

阿部健一(演劇活性化団体uni 主宰・演出、大学院生)、五十嵐春香(児童発達支援センター指導員)、石井美加(会社員)、大間知賢哉(俳優)、木村佳菜子(大学4年生)、小林大悟(美術作家)、斉島明(会社員)、RuS(医療従事者)、新堀学(建築家)、高須賀真之(劇評)、中田森也(個人事業主)、前田安紀(TAMA映画フォーラム実行委員)
※2018年度時点

スタディマネージャー

嘉原妙(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

9.22(土)

第1回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

「東京」で「つくる」を考えるために

1/3

「東京でつくる」という大きなテーマに触れるために、抽象度を上げて言葉を交わすこのスタディ。初回はまずインタビュー形式の自己紹介を通し、各自の抱えるモヤモヤや関心を皆で共有する場をつくった。それと同時に、毎回のディスカッションを経て次回までにエッセイを1本必ず執筆することに。ディスカッションと執筆を往復しながら「東京でつくる」を考える時間が始まった。

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「東京でつくる」ってことは「東京をこわす」と何か密接に関わってる気がする。でもなんか、我々の内側に眠っているこじらせた「リトル東京」を壊すことが、「東京でつくる」ことにつながる気がする。

「答えを出すことが大切ではない」と言われても、疑問を出し合える場がみつからない。疑問の「答え」や「正解」を教えてほしいのではなくて、疑問を共有して疑問から出発できる人たちに会いたいのかもしれない。

10.26(金)

第2回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

日本から、東京から離れた場所で

1/5

「日本から離れてつくる」をテーマに掲げたこの回は、ベルリン在住の俳優、井上知子さんをゲストに迎えた。東京に活動のベースを移すことを検討している井上さんは、日本から離れているからこそ見えていることを語り、それを受けて後半では「東京のことが好きですか?」という問いに対して議論。「呼び戻されるような形で東京に行くことになった」という井上さんとの対話によって、普段と違う角度から東京を考えることになった。

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心理学に「コントロール感」という概念がある。自身の意思決定が対象に影響を及ぼすことができると感じるかどうか、という類の意味だ。少なくともスタディに参加している人の多くは、私を含めて東京に対するコントロール感が弱いといえる。

A:つくるとき「見えないもの」とどう関わるか
B:自分が東京、または日本を出ていく可能性
C:“おそれ”(怖れ/恐れ/畏れ)

B<A<C=ぐちゃぐちゃ。まぜる。

11.16(金)

第3回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

東京/地方で「つくる」意味

1/5

城崎国際アートセンター(KIAC)プログラムディレクターの吉田雄一郎さんと、山山アートセンター主宰・美術家のイシワタマリさんをゲストに迎え、「ここでつくる/ここではないどこかでつくる」をテーマに「東京でつくる」と「東京ではない場所でつくる」について言葉を交わした。「なぜ東京でつくる必然性があるのか?」といった問いに対してディスカッションを重ね、地方にいながら東京とつながっていることが見えていった。

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物語はいつだって個人的なものだ。個人的でしかあり得ない。

「東京でつくる」ことは、その<日常>とそこでの「近代人」的な生き方の強制の双方において「東京をつくる」ことへと転換してしまう。そのフレームを意識せずに行われる「つくる」行為は、それがどういう意図で誰に向けられたものであるにせよ、「東京」という状態の強化、持続へ加担することになる。

ただ、パーソナルで心理的なことを起点に設定し、それを全体として行ってしまうと、「東京」と「つくる」の色んなことが個人事に回収されるというか、全くの「それぞれ論」になるというか、そんなことをちょっと危ぶんでしまう。

最近、情報へのささやかな反抗を思いついた。それは毎晩寝る前に絵本を1冊読むこと。

「東京」という言葉を使って誰かと話すときに、言葉のもつイメージがどんどんしぼんでいっているような気がしている。東京が経済的に貧しくなる、という話とは別の意味で、言葉が痩せていっているような。私の杞憂だったら、いいんだけど。

ゆっくりと動く車窓から“見えすぎてしまう”このまちの細部――退屈さや不格好さや間の抜けた優しさは、東京もまた「東京」ではなく、そこらへんにあるただのまちなんだ、と教えてくれる気がする。

12.15(土)

第4回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

戸惑いながら、共同で「つくる」

1/9

これまでディスカッションとエッセイの執筆を重ねてきたが、今回は映像の撮影に取り組むことに。ゲストにNPO法人記録と表現とメディアのための組織[remo]のメンバーである久保田テツさんを迎え、ルールを守りながら二度撮影を行い、終了後に各自の作品を鑑賞。映像を見ながら、「なんでもない場所に愛着を持った」「普段なら擦れ違う人とコミュニケーションできそうな感じが起こった」などの感想を言い合った。

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話を聞かせてくれた男性は、そもそもご先祖様はどうしてあんなところに住み始めたんだろうなと問うた。

前々回あたりから、自分の「東京に関する肌感覚」が信頼できなくなってきた。東京がどうこう以前に、数多の人間の中でたまたま、私という一個体が傷つきやすく「生き下手」だった、それだけなのではないかと思ったのだ。

ふと陸軍と「東京」が似ているなと思ってしまった。

2018.12.22(土)

同時期に展開された石神夏希のプロジェクト

東京ステイ「ピルグリム」実験

「東京ステイ」は「ステイ(滞在体験)」を通じて東京に眠る物語を見つけ、表現し、活動を実践する人々と連携、協働するプロジェクト。「ピルグリム(巡礼)」は、ある「指令」に従い、通常の何倍もの時間をかけて目的地に辿り着くことで、東京の日常と出会い直すまち歩きプログラム。この日は「さかいめ」をキーワードに、江戸川公園内の神田上水の堰があった場所からスタートし、王子電気軌道のターミナル「王子駅」をゴールに設定。スタディメンバー3名が参加した。

2019.1.9(水)

同時期に展開された石神夏希のプロジェクト

東京ステイ ダイアログオンサイトvol.1
「東京の記憶と断面」

石神が理事長を務めるNPO法人「場所と物語」のメンバーによって、毎回テーマと顔ぶれを変え、それぞれの立場から見える「東京/ステイ」を紐解いていくトークシリーズ「ダイアログオンサイト」。初回は「東京の記憶と断面」をテーマとし、トークの前に「ピルグリム」も実施された。レポートの執筆はスタディメンバーの五十嵐春香と大間知賢哉が担当した。

Photo=黒羽政士

ウェブサイト:東京ステイ ダイアログオンサイトvol.1「東京の記憶と断面」

登壇者:林厚見、林千晶、神本豊秋

2019.1.15(火)

同時期に展開された石神夏希のプロジェクト

東京ステイダイアログオンサイトvol.2
「まちを読み解くまなざし」

「東京/ステイ」を紐解くトークシリーズ、第二弾。メディア的、編集的視点からまちを見る、「まちを読み解くまなざし」をテーマとした。前回に引き続き、トークのレポートをスタディメンバーの高須賀真之が執筆した。

Photo=黒羽政士

ウェブサイト:東京ステイダイアログオンサイトvol.2「まちを読み解くまなざし」

登壇者:今田素子、及川卓也、小松平佳

1.19(土)

第5回

場所:メンバー阿部健一宅(東京都練馬区)

プライベートを語る、聞くこと

1/5

メンバーのひとり、阿部健一の自宅にて行った今回のスタディ。「東京村に残った長男坊」だと自分を説明する阿部は、地域を取材して、そこで聞いたエピソードを元に演劇作品をつくり、その地域で上演するプロジェクトを行っている。そのうえで、具体性を超えてどのように外部と共有できるものにしていけるかを考えていると語る阿部の話を受けて、プライベートを公に開いていくなかで大事なこととは何かなどが議論された。

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消えてしまったものたちの記憶も含めてなにかを共有する地点として、東京を立ち上げることはできるんじゃないか。

東京へのつかみようのない違和感に抗うのは同じ勢いで即答するのではなく、2020年を区切りとしない、ゆっくりと歩む姿勢をとることが必要なのではないかと思いはじめた。

わたしが「場所と物語」という活動をしているのは、「どこで生きてどこで死ぬことになっても面白がれる」すべを、誰よりもわたし自身が必要としているからなのだろう。そしてそれが、似たような生きかたを(選ぶと選ばざるとにかかわらず)している人たちに届くといいな、と思っている。

これを書き上げてから、Eに会いに行こうと思っている。

2.8(金)

第6回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

報告の形式の「前提を問う」

1/6

報告会を目前に、他者に「報告」することに抵抗を感じるというメンバーの声を受け、メール上で議論を重ねた。その結果、約半年間のプロセスをどのように立ち上がらせられるかに焦点を当て、「東京でつくる」にまつわる質問をし、「YES」か「NO」で回答、その理由をディスカッションするという方式を採用。予行演習として、事前に用意してきたいくつかの質問にメンバーが実際に回答、ディスカッションをした。

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2019.2.23(土)

同時期に展開された石神夏希のプロジェクト

東京ステイ総集編「東京、日常の巡礼」

「東京ステイ」の3年間の総集編として、丸一日かけて都内を移動しながら語り合う「東京、日常の巡礼」を開催。本イベントでは早朝から夜までのあいだに、場所を立ち上げる力を考える「東京の朝ぼらけ」、まち歩きプログラム「ピルグリム―日常の巡礼」、ピルグリムの体験をシェアする「東京の夕暮れ」、スナックの場所性に迫る「スナック東京」、懇親会である「ラブユー東京」という5つのプログラムを順番に実施。スタディメンバー有志も一緒にイベントを体験した。

Photo=黒羽政士

2.24(日)

第7回

場所:パズル浅草橋

「東京でつくる」をめぐるQ&A

1/6

前回の議論や実践を踏まえ、「東京でつくる」にまつわるいくつかの質問を用意。20秒以内にYES/NO(もしくはどちらとも言えない)の席に移動し、それぞれの意見をシェアするという形式で報告を行った。「あなたは東京の一部ですか?」などの問いにメンバーが回答し、各々理由を述べていったが、最後の「このスタディが終わったら東京でつくる/つくらない」という質問には会場にいる全員が参加。多様な意見が上がり、いくつもの「東京でつくる」が見えた報告会となった。

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その後の活動

2019.3

3.22(金)

『「東京でつくる」ということ』完成!

1/1

12名のメンバーが他者と自分自身との対話を通して、逡巡しながらも言葉にすることに挑戦し書き上げたエッセイ集『「東京でつくる」ということ』が完成! 一人5本ずつ、主に各自でテーマを設定し、時にはナビゲーターから投げかけられたテーマを糸口に執筆した全60本のエッセイには、「東京でつくる」ということへの思考の鍛錬とその姿勢が表れている。

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6.17(月)

続・東京でつくるということ

1/1

アートプロジェクトは誰のもので、何を目指すのか。多くの人が現場で直面するこの問いについて、「記述する」ことを通して考えるために、2019年度も「続・東京でつくるということ わたしとアートプロジェクトとの距離を記述する」としてスタディを続けることが決定!

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2027年ミュンスターへの旅

東京で「彫刻」を探り、9年後の芸術祭を目指す

1977年にはじまった「ミュンスター彫刻プロジェクト」は、
日本における芸術祭やアートプロジェクトに多くの影響を与えたと言っても過言ではありません。

10年おきに開催される次回は、9年後の2027年。
その第6回ミュンスター彫刻プロジェクトへの招聘を目指して、居間 theaterが準備をはじめました。

ミュンスターをはじめとするヴェネチア・ビエンナーレやドクメンタといった
国際的な芸術祭に関わる多彩なゲストとともに、ミュンスター以前の美術やパフォーマンスの歴史、
またミュンスター以後の美術やパフォーマンスの変化を辿ることで、
2027年のミュンスターにふさわしいプロジェクトの構造を設計していきます。

それは、美術やパフォーマンスのための場や空間の歴史と変化を辿ることにもなります。
そして、その試演や実験などのスタディを、まずはこの東京で実行していきます。

ナビゲーターメッセージはこちら

2018.9

9.14(金)

第1回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

ミュンスターへの傾向と対策

1/8

2027年に開催するミュンスター彫刻プロジェクトへの招聘を目指す。大きな目標を掲げてはじまった初回は、参加者の自己紹介の後、ナビゲーターのひとり、佐藤慎也によるレクチャー「ミュンスター彫刻プロジェクトのアーカイブからみる傾向と対策」が行なわれた。10年スパンで開催していることや、なぜ「彫刻」という言葉がタイトルについているのかなどが議題に上がり、侃々諤々、意見を交わしあう時間となった。

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なぜ「彫刻(sculputure)」という言葉がプロジェクトのタイトルについているんだろう。

ミュンスター彫刻プロジェクトは無料でみることができるから、作品のエリアが区分されることもなく、これを目当てできた人がそうでない人と見ることや、目当てじゃなかった人がたまたま作品に出会えたりする。

過去のミュンスター彫刻プロジェクトの作品で現存しているものは、誰が維持管理しているんだろう。

2018.9.15(土)

同時期に行われた居間 theaterのクリエイション

建築の葬式「5号館を聴く」

新校舎建設に伴い解体が決まった日本大学理工学部駿河台校舎5号館。この校舎の各所に宿る建築の声に耳を傾け、建築に触れ、その歩みを知り、想いを馳せる作品。参加者はそこかしこから聞こえてくる"建築の声"とテキストに記された"設計者の言葉"を頼りに、その校舎に関する出来事や想いを追体験した。制作過程では、モノへの接し方や対峙の仕方、または対峙せずともモノと共存する方法や体験の共有などについても思考を巡らせたという。

Photo=鈴木さや香

会場:日本大学理工学部駿河台校舎5号館
ウェブサイト:建築の葬式
企画・制作:居間theater、5号館の声:居間theater+佐藤慎也

9.17(月)

第2回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

ミュンスターについて学ぶ

1/6

ミュンスター彫刻プロジェクトとは何か。前回に引き続きこの問いに向き合い、佐藤慎也による「ミュンスター彫刻プロジェクトのアーカイブからみる傾向と対策」の続きと、美術ジャーナリスト・村田真さんを迎えての「ミュンスター彫刻プロジェクトについて」という2本立てのレクチャーを開催。しかし終盤、村田さんから「傾向と対策を考えても仕方がないと思う」との発言が……!

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傾向と対策を考えても仕方がない。

大地の芸術祭の作品を意識的に9年おきにみてみると、3年おきでは見えない違いが見えてきた。蓄積された作品と比較する面白さがある。

作品よりも、芸術祭について考えたい。

今、新しいと思っていても、月日を重ねると新しくなくなる。表現や時間の重ね方を考えていく必要がある。

「ぼんやりしてる領域」のことをみんなで話すっていうのはどう? もちろんここまでのレクチャー踏まえて、参加者にも、ぼんやりしてることを話してもらおう。なんかそれぞれの強い主張とか、他の人より詳しいこととかを話し合いたいとは思わない。

そろそろ、そういうほんとに踏み込んだ話しようぜ!

10.21(日)

第3回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

ぼんやり、もやもやと話す3時間

1/5

ナビゲーターの稲継美保(居間theater)の投げかけにより、「ぼんやりと思うこと」を話してみることに。「記録」「美術館」「場所」「パフォーマンス」「彫刻」というテーマに関して、みんなでぼんやり、もやもやと言葉を交わした。「これまでミュンスター彫刻プロジェクトについてのレクチャーを続けてきたけれど、そもそも“彫刻”って一体何だろう?」とスタディの根本に触れるような問いかけも。

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現状のミュンスター彫刻プロジェクトは「祝祭的なアートプロジェクト」だけど、いまの東京をみるとそうじゃないあり方も考えられそう。「日常的なアートプロジェクト」「アートの拠点を作り出す活動」「家を使ったアートの拠点」みたいなものをミュンスターにどうやって持っていくのかを考えたほうがいいかもしれない。

もしかしたら、モニュメントとしての彫刻を、彫刻とは思っていないかもしれない。

日本における公共彫刻は「こと」をつくっている。日本は、公共空間におけるものに対する意識が低いのかもしれない。

書籍『彫刻の問題』と小田原のどかさんからの資料を読んだら、「めざせミュンスター!」なんていいながら、肝心のスカルプチュアについてまったくの無知で泣きそうになりました(笑)。

ミュンスターではなく、ここにきて「彫刻」に強い問題意識をもった小田原のどかさんと繋がるのは、とてもおもしろい展開だと思います。

2018.11.8(木)-11(日)

同時期に行われた居間 theaterのクリエイション

境界を越えて~アジアシリーズのこれまでとこれから~

居間 theaterと佐藤慎也が初めて劇場で展開した作品。同時代の舞台芸術を発信する「フェスティバル/トーキョー」にて上演された過去4年分のアーカイブ映像のための空間を設え、来場者は自分の好みやペースに合わせて映像を楽しんだ。作品の残し方と残されたモノや情報の扱い方について、また、普段劇場という公共施設を通過してしまう人たちをも吸い込むような場のあり方について考えるきっかけにもなった。会場設営には実践の場のひとつとして、スタディメンバーも参加した。

会場:東京芸術劇場シアターイースト
ウェブサイト:アジアシリーズ vol.5 トランス・フィールド 境界を越えて~アジアシリーズのこれまでとこれから~
会場構成・演出:居間theater+佐藤慎也

11.23(金·祝)

第4回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

日本における彫刻について学ぶ

1/5

「彫刻とは何か」を問い直す。それが活動の源にあると言う彫刻家の小田原のどかさんをゲストに迎えた。歴史や教育、そしてフィギュアに至るまでさまざまな側面から日本における彫刻についてのレクチャーが行なわれた。それを受けたディスカッションではパフォーマンスや絵画など他分野との違いなどが話題に挙がり、「“sculpture”と“彫刻”は、別なものとして考えたほうがいい」という重要な指摘がなされた。

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「彫刻」の概念や定義の更新されていないことは、現状との大きな隔たりがあると思った。その時、ミュンスターを目指すにあたっての彫刻とは何かを押さえないといけない。ミュンスターのスカルプチャーの定義も考えてみたい。

東京でちゃんと作品を作った上で、ミュンスターに行こう。

ミュンスター彫刻プロジェクトに行くよりも、なんでもいいからいい作品をつくりたい!

東京藝大に彫刻科ができた1887年から、実は『東京彫刻計画』というアートプロジェクトがはじまっていた。それから10年おきに、都内のまちなかに彫刻が追加されている。それを見ていくと、彫刻の歴史を辿ることができる。そして、2027年にも同様な芸術祭が行われる、という前提でリサーチして、2027年へ向けたプランを考えるというのはどうだろう。

途中で変わっても構わないけど、最初の設定としてのフィクション。

とりあえず、Google Map をつくろう。

2018.12.8(土)-9(日)

同時期に行われた居間 theaterのクリエイション

空想型芸術祭 Fiction 東京/西京

現実の都市・東京と空想の都市・西京。ふたつの都市で同時開催する、「空想で参加する」会期のない芸術祭。居間 theaterがミュンスターを訪れて抱いた「芸術祭」という形式への興味から生まれた地図と音声からなる作品。吾妻橋観光案内所を拠点に、作品ガイドツアーが開催された。公共空間のなかの彫刻や、船や電車といった移動手段など、都市とその要素にも着目した。

ウェブサイト:すみゆめ 空想型芸術祭 Fiction 東京/西京

企画・制作:居間theater+地理人

12.22(土)

第5回

場所:九段下~東京国際フォーラム

フィールドワーク開始!

1/6

実際にまちなかの彫刻を見に行こう! ということで、フィールドワークを実施。「彫刻」という概念の変化や現在の東京の状況が見えるのでは、という狙いから、「1887年から2027年までの10年ごとに『東京彫刻計画』というプロジェクトが開かれている」というフィクションがつくられ、それとまちなかの彫刻を重ねながらリサーチを行った。レクチャー後の身体には次から次へと疑問が生まれ、会話は尽きない。

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これまで部屋の中で考えてきた彫刻が、実際に公共空間に設置されているのを見て回るのはとても面白い、かつ重要なリサーチ。みんなに体験してもらいたい。

工部美術学校の彫刻科の最初で最後の卒業生、主席の大熊氏廣がこの前見た岩崎弥太郎像を作ってて、銅像建設に精力的に関わっていたようです。

次は、上野、本郷東大あたりかな?

この大きな台座が、江戸時代が終わった直後につくられたと思うと、当時の技術力はすごい。

台座に乗っている像は、見上げた時にそれと空しかみえない。高いことが大事なのでは。

美術は圧倒的に残る。建築より残る。

10年おきに間引いで作品をみていくと、時代ごとの違いがみえてくる。

1.17(木)

第6回

場所:上野~水道橋

上野・水道橋の彫刻31体を見る

1/6

『西郷隆盛像』を皮切りに日常からちょっと離れて、まちなかの彫刻31体をじっくり眺めては、感想を交わす一同。戦争の影響や裸体像の問題など、小田原のどかさん(彫刻家)のレクチャーで学んだことが繰り返し出てくるやりとりだった。フィールドワーク後は、報告会を「めっちゃ楽しいプレゼン」にするために、それぞれが大事にしたいことを話し合った。

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こんなに上野の彫刻をじっくりみたのは初めて。

銅像自体がどうこうよりも、銅像があればまちを歩く理由になる。

『東京彫刻計画』の売りは何か?

ミュンスター彫刻プロジェクトに対抗して『東京彫刻計画』が出てきたわけではない。ミュンスターを調べた結果、彫刻に興味が出て、小田原のどかさんの話をきっかけに東京の彫刻を集めるようになり、無作為には集めきれないので、『東京彫刻計画』というフィクションを重ねた。

報告会では、これまで歩んできたプロセスを理解してもらった上で、応援し続けてもらうために、もうひとつ、ショーアップしよう。

1.19(土)

第7回

場所:パズル浅草橋

報告会に向けてのミーティング

1/5

いよいよ来月に迫ってきた報告会。これまでのフィールドワークを振り返りつつ、どのような内容や形式で発表を行うか意見を交わした。振り返るとこれまでの活動が3つの時期に分けられることを確認し、発表もオーソドックスなプレゼン形式ではなく、パフォーマンス仕立てにすることに。ミュンスター彫刻プロジェクトをきっかけに芽生えた3つの興味をどのように共有するか、その方法について話し合われた。

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リサーチでは、普段日常的に目に入っていた彫刻が、実は認識されず見えていなかったという発見があった。

追体験するのは、どこの部分?

ミュンスター彫刻プロジェクトという一つの興味から、このスタディを通して、「彫刻という概念の拡張」と「東京の彫刻やパブリックアート」というふたつの興味を得てきたのではないか。

1.27(日)

第8回

場所:お台場〜芝浦

3回のフィールドワークから見えたこと

1/6

観光名所にもなっている『実物大ユニコーンガンダム立像』をはじめ、お台場から芝浦にかけて17体の彫刻を見た。これまで巡ったエリアと違い、商業エリアと居住エリアに設置された彫刻の特徴について語り合う。『東京彫刻計画』というフィクションを用いることによって、新たに見えてくるものがあることを実感。またもや収穫と課題は同じくらい生まれた。

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彫刻ありきでいく感覚。次につくる居間 theaterの作品の切り口は何か。彫刻の拡張としてみたときの要素や条件。

根本的に彫刻を考えた時、ものよりも、時間や空間を考えることになると思う。

共有するなら、体験として共有したくなってしまう。

ありのままをみせることに興味はないけど、パフォーマンスを見せることに興味はある。

めっちゃ稽古したい。

全員が順番に話すとスタディの流れにもなり、ミュンスターと東京のプレゼンにもなっている。さらに、それぞれが、それぞれのテンションで話すと、いろんな温度が混ざっている物語になるのでは。

2.24(日)

第9回

場所:パズル浅草橋

パフォーマンス仕立てで大団円

1/8

ナビゲーター、メンバー、スタディマネージャー全員が参加してのパフォーマンスを行った報告会。活動がはじまったきっかけから始まり、各活動日の様子をさまざまな視点で演じ、最終的にはこのスタディはひとつの答えを導き出してはいない、それぞれが思考していると述べた上で、「可能性は無限大。刮目せよ! 旅はまだはじまったばかりなのである」というセリフで締めくくられた。

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その後の活動

6.17(月)

『東京彫刻計画』スタート!

1/1

「『東京彫刻計画』という芸術祭が、10年に1度東京で行われている」というフィクションを使って、わたしたちの周りにあるさまざまな彫刻をリサーチする。大きな時間の流れで街を見るとき、街と作品とわたしたちの関係をどのように結ぶことができるのか。2年目は、最終的に小規模の作品創作を目指す。

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Music For A Space

東京から聴こえてくる音楽

2010年代に入り、音楽を取り巻く環境や産業構造は大きな転換期にあります。
同時に、既存の音楽体験や聴取環境を越えていくような、さまざまな模索がはじまっています。
公共空間で展開するアートプロジェクトでは、昨今、音楽の可能性を拡張する試みがまちなかを舞台に行われています。

パッケージメディアが必要とされなくなった時代の、まだ見ぬ新たなメディウムとは?
ポップミュージックとパブリックサウンドのハイブリッドなあり方とは?
音楽家だけがもつ、社会を可聴化する能力とは?

音楽ビジネスとアートプロジェクトを往来し続ける清宮陵一をナビゲーターに、
音楽シーンの一線で活躍する専門家やアーティストとのディスカッションを通じて、音楽の現在点と座標軸を探り、
「これまでと違う仕組みの音楽の有り様をつくる」ことに挑みます。

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2018.9

9.19(水)

Music For A Space 東京から聴こえてくる音楽

1/1

coming soon...

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部屋しかないところから
ラボを建てる

知らないだれかの話を聞きに行く、チームで思考する

ひとつの部屋(=ROOM302)を拠点に、ラボチームの立ち上げを試みます。

「いま」、「東京」で、メンバーそれぞれの関心を持ち寄り、一斉に調べ、徹底的に共有し、可視化するラボです。
部屋に集い、話し合う。部屋を出て、身体を通してリサーチしたことを、また部屋に持ち込み、メンバーとの共有を繰り返します。
はじめは部屋しかありません。メンバー全員でラボの方法や機能づくりにも取り組みます。

リサーチは「ひとの話を聞く」という方法に重点を置いてみることにします。
ある関心事を知ろうとするとき、まずは本や資料にあたり、インターネットの検索から始めることも多いでしょう。
しかし、一歩外へ出て、ひとに話を聞いてみると、自分の予想とは違う言葉や反応が返ってくることがあります。
今までの経験では受け止めきれないことかもしれません。そういった戸惑いを引き受け、身体を通して情報へ触れる方法、
それをだれかと共有することについて繰り返し議論しながら進めていきます。

“いま知りたいことを、より立体的に知るための技術”を、メンバーがそれぞれに開発し、実践していくことを目指します。
そして、このラボから、長い時間をかけた新たな表現やプロジェクトが生まれていくことを期待します。

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2018.9

9.23(土)

知らないだれかの話を聞きに行く、チームで思考する

1/1

coming soon...

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自分の足で
「あるく みる きく」ために

知ること、表現すること、伝えること、そしてまた知ること(=生きること)

大小を問わず、日々感じる不具合や不自由を、あるいは喜びを支えているものが何なのか?
それがどのようにして立ち上がっているのか?
それぞれの方法で解きほぐし、理解してみようと試みます。

ゲストアーティスト3名の表現の現場に触れながら、あるいは共に、参加者自らが制作と表現を行います。
ただし、「アーティスト」になることや「作品」づくりを行うこと、ある「方法」を教えることが目的ではありません。

かつて宮本常一が「あるく みる きく」(※)で展開したように、出来事や状況を安易に価値化せず、
ひとが世界と向き合うそのひと自身の目を失わないように、考え、やってみて、また考えてみる。
身体全体をつかい、潜在する見えにくいものを丁寧に感知する。その手法を丁寧に考える。
停滞することを厭わず、何であれ一つ知り得たことが次の動きの標(しるべ)となるように、
一人一人がじっくりと立ち止まって考え、やってみる。

その過程を経験する場をつくり、表現の礎が日々の沢山の気づきであることを自ら学ぶことを目指します。

※ 『あるくみるきく』は民俗学者の宮本常一が主宰した近畿日本ツーリスト株式会社・
日本観光文化研究所が1967年から1988年まで発行していた月刊誌。

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2018.9

9.16(日)

自分の足で「あるく みる きく」ために

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スタディ3
清宮陵一(音楽プロデューサー)とビジネスからアートプロジェクトまで、
シーンの第一線で活躍するゲストによる
「これまでとは違う仕組みの音楽の有り様をつくる」ための対話です

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