2018.12.9(日)

第4回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

ラボを利用して話を聞く

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前回、具体的に話を聞きに行きたい人を想定するところまで踏み込んだが、その後の動きを見ていると、なかなか実際の行動に移すことができていない様子。時間的な余裕のなさもうかがえるが、「聞きに行く」ことのハードルが上がってしまい、フットワーク軽く踏み出すことが難しいようだ。
そこで、今回は一旦これまでの流れを振り返りながら、改めてこのラボの仕組みや取り組み、「聞きに行く」ことについて全員で考えてみることからスタート。

このラボの軸として、メンバー同士で関心を共有し、それについて思考することが挙げられる。これについては、この4カ月間を通して、視線や歩みを共にしてきたと言えるだろう。その上で「外にひらくこと」をしていきたい。このスタディの趣旨文にもあるように、「いま」「東京」で「ひとの話を聞く」ことを実践し、そこで聞いたことや感じたことを、改めてこの場に持ち帰れる流れをつくりたいーー。瀬尾夏美はまず冒頭でこのようにメンバーに語りかけた。
また、2月に開催される報告会に向けて、自分が聞いたことをどのようにアウトプットすればよいかという悩みがメンバーから出ていた。これについて瀬尾は「必ず自分が見聞きしたことをアウトプットする必要はない。話を聞きに行くことの動機、説明としてアウトプットを考えることもできるけれど、その場合どういうアウトプットのメディアをつくるかということも含めて、この場で考えたい」と説明。このラボを口実にして、普段の生活圏とは異なるチャンネルを持ち、ひとの話を聞くことが大事なのであって、アウトプットを目的化しないでほしい、と強調。その上で、ラボという場があることを利用して、やりたいことをやってほしいと述べた。加えて、1月の活動日までに実際に話を聞きに行き、そこで聞いたことをこの場に持ち帰ってほしい、と提案があった。

以上の前提を分かち合った上で、本題へ。現在関心のあるテーマを一つ取り上げて、一枚の紙に時間軸を縦軸、距離感を横軸で表し、そこに現在考えていることを描き込み、解説の文章を添えるというワークを行った。これまでにも関心の共有は行ってきたが、今回は平面的に掘り下げるのではなく、時間や距離を通して関係性の中で関心事を捉えてみるという試みだ。
5人のメンバーは「日本のジェンダーにまつわる社会の未来予想図」「戦争体験の伝承とその周辺」「選択的生殖社会」「効率至上主義」「子ども、動物」といったテーマで図解と解説を行い、考察を深めていた。

休憩を挟み、後半は実際の都市を使ったインスタレーションやツアー・パフォーマンスなどを展開する演劇ユニット、Port Bで制作やリサーチを担当している田中沙季さんをゲストにお迎えして、ひとの話を聞く上で欠かせないリサーチという作業のあれこれをお聞きした。
2009年からPort Bに参加している田中さんは、自身の生い立ちから現在行っている仕事について、年代順に説明を進めた。リサーチについては、事実をまず受け入れて、すぐに結論を出さすに考える時間を持てることの意義の大きさを語った。
「詩人の吉増剛造さんの言葉で、“Re-search”というのは“残りのものを探すこと”という意味があるようです。“残り物”から社会の本質にいかに辿り着けるか。調べていくうちに、アウトプットのかたちを考えるインスピレーションを得られることもあります。リサーチは単に調べるのではなく、いかに“受けとめられる”かという態度が大事なのではないかと思います」と語り、修学旅行の形式をベースに、ある国や民族などをテーマにして、東京の中で観光ツアーを行うシリーズ『東京修学旅行プロジェクト』やその発展形である『新・東京修学旅行プロジェクト』の解説がされた。
質疑応答では、リサーチの途中で失敗と感じることはあるか、チーム編成をどう組んでいくのかなどの質問があがった。田中さんからは、リサーチ対象者と付き合う際に気をつけていることが説明され、リサーチを続けていく中では、「リサーチャー自身がもともと持っている勘が、事実をたぐり寄せたり、受けとめる範囲に影響する」という言葉も聞かれた。

今回は午後8時終了の予定だったが、このスタディを続けていく中で「雑談」が重要な要素となり、田中さんへの質疑応答が熱を帯びたこともあって、9時過ぎまで延長。さらに打ち上げ会場の中華料理店でも話は弾み、メンバー同士で共有される関心が回を追うごとに強度を増しているようだった。

Text=高橋創一

関連資料

12月21日オープンラボデイの報告メール
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小屋竜平

2018年12月21日(金)

12月21日小屋デイの報告

皆さま

21日のオープンラボの報告です。大変遅くなってしまい申し訳ありません。

参加者は、柳河加奈子さん、国分幹生さん、足立靖明さん、八木まどかさん、橋本佐枝子さん、高橋創一さん、上地里佳さん、磯崎未菜さん、私の計9名でした。

ピザを取って食事をしたり、食について話したりなど、目的もなく種々の雑談をしたのちに、前回活動日に決めていた事項であった、「ラボ名を決める」というプロセスにうつりました。

写真はすべての案が出る前の状態と案を絞った状態の二枚になります。記録の不備申し訳ありません。この後いくつか案を出しそこから更に絞って話し合った結果、ラボ名は「かたつむり」というものになりました。以下、決定にいたるプロセスについて少しまとめます。

最初は、今回のこのスタディのテーマでもある、「話を聞きに行くこと」「部屋しかないところからラボを建てる」という言葉から、いくつかのキーワードを出しながら進めていきました。地図や、ワークや仮設、という言葉はそのあたりから出てきたものです。いくつか案が提出されたのちに、具体的にラボ名を決める際は、多数決ではなく、話し合いベースで行いました。

最終的に「かたつむり」という名称が選ばれたのは、ラボのテーマである、人の話をききにいくというところから、耳のなかの蝸牛の形が連想されたことや、「かたる、つどう、むかう、リサーチする」という「かたつむり」からできる言葉遊びが含みこまれているのも面白いのではないかというのが、決め手の一つです。
また、最初にラボ名を紹介した時にそれ自体が話のきっかけになるのでは、ということも「かたつむり」が採用された理由になっています。
テーマに沿ったモチーフであると同時に、実際にその名称を使用する現場まで考えられたのは、よかったのではないかと思います。

個人的には、這う感じや雌雄同体であることとかも、割と良いのではないか、ということを帰り道に思ったりもしました。

次回活動日の際に、またラボ名に関しては皆さんで共有することができれば、と思っています。

以上、年末になってしまいましたが、共有事項をお送りします。
皆様に置かれましても、良いお年を。

メンバーからのメール
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橋本佐枝子

2018年12月2日(日)

最近の出来事と次回活動日について

こんにちは! 橋本佐枝子です。
インフルエンザが流行っているようですが、皆さま大丈夫でしょうか?

最近の出来事と次回活動日についてお伝えしたいことがあり、
メーリングリストを使わせて頂きました。

先日、剥製屋さんのおじさんに話を聞いてみようかと思い、
そのお願いもできそうかどうかを確認しに、お店に伺いました。
お店には剥製が多くあり興味深く拝見していると
つっけんどんに(私の勝手な印象かもしれません)
「何かありますか?」「何かなければそろそろ帰ってください!」と言われ、
ガーンとなって帰ってきました(笑)。
よくよく考えると「聞きたいこと」というのははっきりしていなくて、
どこかしら「何か面白い話をしてもらいたい」という
自分勝手な受け身の姿勢があると思いました。
その思いが滲み出ていたのかもしれません。
今回「話を聞いてみたい」という姿勢で少し行動したので、
良い体験になりました。
さて、これからどうしようか、という感じです。

個人的な話ばかりですみません……。
それでは、また皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

メンバーからのメールへの返信
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瀬尾夏美

2018年12月4日(火)

最近の出来事と次回活動日について

橋本さん

近況のご報告などありがとうございます!
剥製屋さんのおじさん、お話伺ってみたいですね。
私もよく道端で気になった人とかに話しかけてフラれるので、
ガーンとなる気持ち、共感しました。
たまたま間が悪かったり相性が悪かったり色々あると思うので、
あまり落ち込まないでくださいね……(泣)。

このおじちゃんにどうしても話を聞きたい!
という感じでじわじわ関係性をつくるというのもひとつあるかもしれないですし、
一期一会と割り切って、
たとえば他の剥製師の方に出会いにいくというのもいいかもしれないです。
もしくは、橋本さんの気になることを知っていそうな人は、
他の職業の人でもいるのかもしれない? ですかね。

これは完全に個人的な経験則ですが、
専門家の方の場合、自分の気になっていることがあれば、
率直に聞いてみると意外と会話が進むという印象があります。
いい出会いがありますように!

では、9日の夕方にまたお会いしましょう。

第4回についてのお知らせメール
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佐藤李青

2018年11月22日(木)

第4回のお知らせ

みなさま

こんにちは、佐藤李青です。寒いですね。
さて、前回から次回に向けてのご連絡です。

いよいよ、誰かに聞きにいってみますか、という感じになってきましたが、
行く場合は、メーリングリストに投げましょう、という話があったと思います(軽く忘れてました……このルール)。
どなたか、もう話を聞きにいこう、という方いらっしゃいますか?
いましたら、一緒に行きたいなどあると思うので、ぜひご一報ください!

■ 次回(12/9)の時間と進め方について

とはいえ、まだ……という方もいるかと……。
なので次回は予定より長めに時間をとって、前回最後のほうにやった関心のマッピングを続け、
聞きにいく人と行く理由も含めて検討し、聞きに行ける状態をつくる時間に使おうと思っています。
※ このあたりの詳細は後ほど瀬尾さんからも連絡してもらいます。

12/9(日)は開始時間を前倒し13時〜20時を予定します。
18時からはゲストとしてPortBの田中紗季さんに参加いただきます。
以下にプロフィールあります。
https://www.artsmaebashi.jp/FoE/projects/project05/
世界各国(都内も)「リサーチ」を重ねてきた方です。
ラボでこれからしようと思っていることも共有しつつ、お話を伺い、
ディスカッションする予定です。

■ 11/24のオープンラボデイについて
また、今週末(明後日!)、初のオープンラボデイを開催してみるという話もありました。
11月24日(土/祝)16時〜18時くらいを予定しています。
聞きにいく人の案出しなどゆるゆると話をする時間にしたいと思います。
少人数で全然いいのですが、さすがにゼロになったら……ということもあるので、
行きたい!という方は、明日の昼くらいまで、小屋竜平さんにご一報ください。

■ 課題について
前回聞いた話を手書きでまとめたものを電子データ化し、Word等でテキストをお送りください(箇条書きで構いません)。次号のラボ通信に掲載します。〆切は【12/2(日)】までにお願いします!

以上です。

いやはや、年末も見えてきて師走ってきますが、
スケジュールのことなど何かあればご連絡くださいー。
どうぞよろしくお願いします!

第4回についてのお知らせメール2
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瀬尾夏美

2018年12月1日(土)

第4回のラボについて

ラボメイトのみなさま

こんにちは!
東北は寒い日が続いていますが、いかがおすごしですか?
12月に入り、早くもラボ活動も折り返しです。
次回は、これからラボという仕組みを使ってどんなことができそうかということを
もうちょっとつっこんで話しあいつつ進めていけたらと思っております。
普段よりすこし長い時間設定となりますが、よろしくおねがいいたします!

**12/9の予定**

12:00
ご飯などを食べる人は早めに入れます。

13:00
いままでの流れをふりかえりつつ、
「いま・東京という場で、それぞれの関心を持ち寄り、調べ、共有し、可視化する」ラボ
(ただし、その手法に「人の話を聞く」ということを用いる)を使って、
何ができそうかをあらためて話しあってみます。
・今後のスケジュールとラボの仕組みについて
・話を聞いてきたラボメイトの話を聞く
・ミニワークショップ
・今後の進め方、共有の仕方を話し合う

17:00
休憩

18:00
高山明さんによる創作ユニットPortBでリサーチャーとして活動する田中沙季さんをお招きし、
プロジェクトを組み立てていくうえで「人の話を聞く」ことについて、
お話しいただきます。
その後、田中さんとラボメイトでいろいろお話しします。
・PortB・田中沙季さんによる活動紹介
・質疑応答

田中さんが現在おもに取り組まれている「東京修学旅行プロジェクト」を中心に話してくださるそうです。
http://portb.net/port-trc.net

美術手帖による「新・東京修学旅行プロジェクト」記事
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/12933

こちらからは以上です。
何かご質問などありましたら、おしらせくださいませ!

追伸:
このラボの初心はここにありました。
(いま読み返してみて、なかなかいいなあと思ったので載せときます)

スタディ4|部屋しかないところからラボを建てる