2019.12.21(土)

第10回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

個人の「つくる」を互いに支える

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12月21日、第10回となる今回は、今後のスケジュールの確認と編集方法の確認を行った後、個人面談と参加者がそれぞれ作業をする時間を設けた。1月にはプロトタイプの上映会を行う予定である。少しずつ追い込みをかけていく時期だ。

制作する映像の長さに指定はないが、映像制作の際には「短く」つくることを心がけると良い。映像が長くなると説明的になったり、冗長になったりして、鑑賞者が想像する余白が失われてしまう可能性があるからだ。鑑賞者が「もう少し見たかった」「あれはなんだったのだろう」と思えるような映像を目指し、制作に取り組むことが大切である。また、大橋は制作途中に映像作品を他者に見せる重要性も語った。客観的な視点を取り込むことで、もっと洗練された映像作品になっていくという。技術的な注意点のほかに、肖像権・著作権の問題についても取り上げた。

映像作品全体を通しては、伝えたいストーリー/ストラクチャーを見つけることが重要である。まずは撮影した素材をバックアップし、破損しているデータの有無を確認する。場合によっては修復や代替、撮り直しとなる可能性もあるため、早めに確認をする必要がある。素材リストを用いて素材の管理を行い、インタビューをしている場合は、文字起こしを行う。素材が集まってくると、憶えているつもりでも忘れてしまう可能性が生じるが、そこにこそ大事なポイントがあるかもしれない。データの振り返りを行った後は、いよいよストーリーを見つける作業に入る。「映像作品を通じて伝えたいことは何か」を念頭におき、それを伝えるための素材と表現方法を選んでいく。ストーリー/ストラクチャーを見つける方法として、大橋は『Documentary Filmmaking : A Contemporary Field Guide』(John Hewitt, Gustavo Vazquez, 2010)を用いていくつか紹介した。

参加者が作業をする時間では、これまでの10回の活動を通して築かれてきた参加者同士の信頼関係が垣間見える場面が多くあった。編集ソフトに関して相談し合い、撮った素材の映像を見せ合う。参加者同士で調査し合っている人もいる。参加者とそれぞれの調査協力者との間でだけではない。このスタディのなかでも協働関係が生まれている。

執筆=染谷めい