東京プロジェクト
スタディとは?

Tokyo Art Research Lab「思考と技術と対話の学校」で展開する、
アートプロジェクトの核をつくるための実践です。

“東京で何かを「つくる」としたら”という投げかけのもと、
「ナビゲーター」と、公募で集まった「メンバー」がチームとなり、
スタディ(勉強、調査、研究、試作)を重ねます。

2020年度は、アーティストやディレクター、デザイナーなど、
関心や属性の異なる3組の「つくり手」がナビゲーターを担当。
演劇、美術、パフォーマンス、写真、映像など、
表現方法や「つくる」過程もさまざまです。
それぞれのスタディには、アーツカウンシル東京のプログラムオフィサーが伴走し、
学びのサポートをしていきます。

このウェブサイトは、3つのスタディがどのように
「何かをつくる手前の時間」を過ごしたのかを記録するものです。
何を、誰と、どのように向き合ったのか。
スタディの活動と、同時期に並走するナビゲーターたちの創作活動に目を向けます。

そのプロセスや、そこで生まれたことばや手法を蓄積する素材庫は、
いつかの誰かの「つくる」ヒントになるかもしれません。

わからなさ、複雑さ、そしてときに遠回りすることを大事にしながら
予定調和に陥らない「つくる時間」に身を置く実験を、
ぜひ追体験してみてください。


Tokyo Art Research Lab (TARL)

アートプロジェクトを実践する人々にひらかれ、共につくりあげる学びのプログラムです。
人材の育成、現場の課題に応じたスキルの開発、資料の提供やアーカイブなどを通じ、
社会におけるアートプロジェクトの可能性を広げることを目指しています。
https://tarl.jp

「東京プロジェクトスタディ」ウェブチーム

ウェブディレクション:萩原俊矢
ウェブサイトデザイン:井山桂一(GRANDBASE inc.)
プログラミング:萩原俊矢、多田ひと美(GRANDBASE inc.)

編集方針設計:川村庸子、高橋創一
全体設計:坂本有理(アーツカウンシル東京)
企画:上地里佳、岡野恵未子(アーツカウンシル東京)

イメージビジュアル:加藤亮介

2020

共在する身体と思考を巡って

東京で他者と出会うために

誰かと何かをはじめようとするとき、考えや視点の違いを理解しながら、
互いのイメージを擦り合わせ、どうやって共につくっていこうかと議論を重ねる。
文化的にも社会的にも、そして身体的にも異なる経験を持つ者同士が、
お互いの差異と経験を想像しながらコミュニケーションをはかること。
日々、アートプロジェクトの現場で起こっている光景です。
そして、そのコミュニケーションの密度や共に経験した時間が、
プロジェクトをより豊かなものにすると言っても過言ではありません。
コミュニケーションとは、“ことば”に限ったものではなく、
むしろ、表情やしぐさ、声色、動き、間など身体を用いた非言語の領域が、
日々のコミュニケーションに大きな影響を与え、補い、支えているのではないでしょうか。

いま、思い立って誰かに会いに行く。
互いに目を見合い、相手の息づかいを感じ、何気ないしぐさを眺めながら話をする。
そんな当たり前のことが気軽にできなくなって久しい状況のなかで、
改めて「コミュニケーション」や「身体性」について考えていく必要があるのではないか。

本スタディでは、写真家、ダンサー、インタープリター(通訳者・解釈者)とともに、身体性の異なる人々の世界に触れながら、
“ことば”による表現だけではないコミュニケーションの在り方を探り、
その可能性について考えていきます。

ナビゲーターメッセージはこちら

ナビゲーター

加藤甫写真家

南雲麻衣パフォーマー、アーティスト

和田夏実インタープリター

メンバー
  • 大塚拓海学生
  • 鍾淑婷学生
  • 伊藤聖実魔女見習い
  • 佐藤卓也エンジニア
  • 山田ゆうこ俳優/走る人
  • 十代田詠子表現初心者
  • 原口さとみ編集・PR
手話通訳

田中結夏手話通訳者

米内山陽子劇作家・演出家・舞台手話通訳家

運営スタッフ

木村和博劇作家・編集者・ライター

スタディマネージャー

嘉原妙アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー

2020.8

8.21(金)

第0回

【スタディ1】ナビゲーター/スタディマネージャーからのメッセージ

1/2

「スタディ1|共在する身体と思考を巡って」では、ナビゲーターを加藤甫さん、南雲麻衣さん、和田夏実さんの3人が、スタディマネージャーを嘉原妙が務めます。 このスタディでは、写真家、ダンサー、インタープリター(通訳者・解釈者)とともに、身体性の異なる人々の世界に触れながら、“ことば”による表現だけではないコミュニケーションの在り方を探り、その可能性について考えていきます。 活動をスタートしていくにあたって、それぞれからのメッセージを掲載。ぜひご覧ください。

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8.23(日)

第1回

場所:Zoom

お互いの顔が見えないまま「出会う」「共に在る」

1/10

「共在する身体と思考を巡って」と名付けられたこのスタディ。初回はオンライン会議ツール「Zoom」を利用して、メンバーが集った。「ビデオはOFFにして入室をお願いします」。TARL事務局より事前に連絡を受け取ったメンバーはお互いの顔が見えない状態で3つのワークを実施。そのなかでどのようなコミュニケーションが生まれるのか、手探りの旅が始まった。

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視覚からの情報って大きいということ。文字が発明される前は聴覚が主体で、文字が発明されてからは、視覚に頼る時間が長かったからなのか、なんて事も考えた。反面、視覚が制御された中では想像力が刺激され、子供の頃のごっこ遊びのように風景や役柄をつくっていく、そんな感覚もあった。

そもそも、顔を見せて会ったとしても、その人の全てがわかるわけではない。わかったつもりになっているだけで、わからないことは確かにある。オンラインという形で、今回出会ったわけだが、出会うということが曖昧になってきているとおもう。出会った後にも、出会いがある。顔を早く見てみたいという気持ちもあるし、顔を見ておしまいというのは、さみしい。どこまでも、人と出会い続けたい。

2020.9

9.13(日)

第2回

場所:Zoom

私たちは本当に出会ったのだろうか

1/4

メンバー同士の顔が見えない状態でワークを実施した前回、普段とは違うかたちで他者と出会った。しかし、第1回を終えてしばらく経ち、ナビゲーターチームから生まれた問いは「私たちは本当に出会ったのだろうか」だっだ。第2回は、出会うとは何かを考えることから始まった。

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最初に入ってくるはずの情報が後から入ってきた。

画面越しの「出会い」と空間を共にする「出会い」、触れる「出会い」はぜんぶ別次元の現象みたい。

なにを持って「出会った」とするのか。仕事の関係で1日に50人くらいの人と名刺交換をすることがあるけれど、そのなかで本当に「出会った」人というのは、片手に収まる、もしかすると、1人いればいいんじゃないかな。

2020.10

10.4(日)

第3回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

撮る/撮られるから、他者の無意識に触れる

1/7

「『撮る』体験をみんなにしてもらおうと思っています」。 ナビゲーターであり写真家の加藤甫はメンバーにこう共有する。第3回はメンバーがはじめてROOM302に集い、「撮る/撮られる」行為を通して、無意識に触れる試みを実施した。

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被写体となる人の時間と身体を借りて、嘘をついている。嘘は決して悪いものではない。多くの映像作品は、現実でないものを作り出す「嘘」だ。頭ではわかっているのに、私はこの息苦しさと未だ折り合えないでいる

あの時の私たちにとって大事だったのは、綺麗な人物写真を撮るというよりも、一緒に何かをする、時間や場を共有することだったと思うので、即興的に次々と試すことができたのは、本当に楽しかった

10.31(土)

第4回

代々木公園

それぞれのもやもやから出会う

1/4

第4回、メンバーが集まった場所は代々木公園。秋の陽気が心地よい開けた場所でワークを実施。第1回から第3回を経て、自分に生じている変化や感じている「もやもや」を思い思いに共有する時間となった。

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このスタディーに応募した時、まさかスタディのメンバーのみんなと「出会う」とは思っていなかった

僕らは「出会い」に固執した。「本当にわかったのか?」「実際に会ったほうがわかるのか?」「腹を割って話したらわかるのか?」「通訳がいたらわかるのか?」「通訳が必要ない状況だったらわかるのか?」等々、「出会う」という一つの体験をいろんなパターンで繰り返して試している。4通りの、パラレルな出会い

電車に揺られながら、宿題である"モヤモヤ"について考える。モヤモヤってなんだ。この問い自体が、私の中にモヤモヤ宿す。「これが、私のモヤモヤです」と手に持って示すことができるのなら、それはたぶんモヤモヤじゃなく、ゴロゴロべたべたサラサラした、何か

2020.11

2020.11.14(土)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会1

8月からスタディ1も含め3つのスタディが始動し、参加者たちとナビゲーターが共に活動を行ってきた。共有会1では、半年間の折り返しとなるこのタイミングで、それぞれの活動を共有。参加者はオンラインで、ナビゲーターとスタマネはSTUDIO302に集合し、各スタディらしく活動を紹介した。

11.28(土)

第5回

場所:Zoom

フィクションを織り交ぜながら、自分の分岐点について書く

1/1

第5回のテーマは「フィクションを織り交ぜながら、自分の分岐点について書く」。自分にとっての分岐点とはなにか、フィクションとはなにか。どのように織り交ぜていくのか、その結果何を目指すのか。大きな余白を受け取ったメンバーそれぞれが、自分なりの表現を模索する時間となった。

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書いた後にテーマが入ってきた気がする。「分岐点?」「フィクショナル?」今更考えても遅い、書いてしまったものはもう取り消せなくて、手元にない。しかし言えるのは、書いている時の感覚は最高だった。

しかたない、得意なこと、できることに置き換えよう。とスライドを立ち上げ、分岐点となった写真を貼り出す。文章を書きたくないから絵本にしよう。写真を貼ったらリアルすぎるな…絵も面倒だし…よし!RPG風にしてフィクションだと言い張ろう、あっもう時間。

フィクションを取り入れて書く作業は、未来から過去の分岐を思い出す時、何かが忘れ去られたり、自然と盛られたりすることに近い感じがしました

ひとまず、気のむくまま書き進めていくと、しばらくして、分岐点で出会ってきた人々と物語のなかで対話してるような感覚になった。もう会えないけど、でも会えるみたいなこの感覚は、寂しくてたまらないが私は好きだ。

2020.12

12.6(日)

第6回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

翻訳する身体と思考を巡って

1/9
写真左より 舞台人・舞台手話通訳者・手話通訳者の田中結夏さん、その隣が 劇作家・演出家・舞台手話通訳家の米内山陽子さん
当日は、ナビゲーターの南雲麻衣がグラフィックレコーディングも行った。手話通訳の動きが見えるように、透明なアクリル板での記録を試みた。

「私たちは何を伝え合っているのだろうか」。第6回のゲストは、劇作家・演出家・舞台手話通訳家の米内山陽子さんと、舞台人・舞台手話通訳者・手話通訳者の田中結夏さん。手話通訳という役割でこのスタディに併走しているおふたりと共に、通訳する身体と思考を巡るディスカッションを行った。

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満たされた一日だった。満たされたというのは、ただ満足したと言うのに限らず、今まで足りなかったピースがまた一つハマったという感覚。これまでのワークは、よくわからないまま楽しんできたけれど、なんとなくそれがなんなのか、なんとなくだけど肌で感じることができた気がする。

こんなにも飛び込みたくなるトークセッションはなかなかない気がする。手元の自分メモがどんどん溜まる。

12.20(日)

第7回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

既存の「自己紹介」の手前にあるものとは?

1/1

第7回のゲストは美術作家の関川航平さん。「このスタディのテーマ『共在する身体と思考を巡って』と関川さんが持つ視点や創作の手つきに接点があるのではないか」と考えたナビゲーターチームが関川さんに相談し、実現した今回。これまでの考えてきた問い「出会うとはなにか」を体感する時間となった。

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コンビニの温度が、タバコの箱に残ってるって実はものすごいことなんじゃないか。うまくいえないけれど、どうでもいいことのように思えるけれど、実はすごいことだ。

彼が持参してくれた『タバコの箱の話』は、あきらかにスタディ1への応答で、僕にとってはまぎれもなく作家関川航平の作品だった。(彼にとっての作品かどうかは別、かもしれない。もしかするとこれに対するスタ1の応答次第では、これは彼にとっても作品になりうるの、かもしれない。)

関川さんの内言語を皆で猛ダッシュしたような3時間はなんというか終わったー!みたいな爽快感があって、それでいてなんだったんだろう、と笑えてしまう感じもあり。タバコの箱のような時間でした。

2021.1

1.10(日)

第8回

場所:Zoom

わかりやすさ/伝わるはやさだけにとらわれない言葉を味わう

1/1

「言葉は身近すぎるコミュニケーションツールで、わかりやすさ、伝わるはやさが重視されやすい。でも、それだけではないと思うんです」 こう語るのは、ゲストである歌人の伊藤紺さん。緊急事態宣言下に行われた第8回は、オンライン会議ツール「Zoom」を使用し、詩的言語を味わう時間となった。

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短歌と手話は似ている。短い言葉でイメージをおくるところが短歌だとしたら、それは手話にもあって、非言語の部分で言葉じゃなくてイメージだけを他者に渡したい時はとても有効。いま私が見たものをただ忠実に伝えたいときに限る。その時は「うた」をみているような気分になる。喧嘩の話も「うた」をみているような感じになるときがあって、喧嘩って綺麗なんだなって思っちゃうほど。両手をばちっとやって火花が散ってるようにみえる…あ、これ短歌だ。

短歌。という型に任せて言葉を放つこと。ドカンドカンと、スラックに感想が上がってくるのでこっちも言葉が爆発しそうなのだけれども、書こうとした瞬間に落ち着いてくる。言葉はそのまま使うことができない、というのが僕の考えで、そのまま使うことができないことまで含めて言葉というところも大事で、短歌や書くことはそのままではどうにもならない言葉を型に入れることで、なんとか手にとれるものにする技法なのだな。

特定を指す「あなた」、ひろい「あなた」。コピーを書く時に「あなた」は「YOU(NOT “you guys”)」そのものを表現したい時に使っていて、後者を意識したことがなかったから発見だった。

2021.1.31(日)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会2

各スタディとも終盤に差しかかったところで、2回目の共有会をオンラインで開催。ナビゲーターから、活動の内容や、メンバーで議論するなかで見い出した課題について発表した。スタディメンバーも登場し、それぞれの問題意識や制作している成果物について語った。
3つのスタディに共通して、「出会い」や「コミュニケーション」というキーワードが出てきたことから、コロナ禍である現在の状況に対して、それぞれが応答を試みていることがわかった。

2021.2

2.7(日)

第9回

場所:Zoom

南雲麻衣のパフォーマンスから「フィクションを織り交ぜる」を考える

1/1

第9回は、ナビゲーターの南雲麻衣がパフォーマーとして参加した舞台作品をオンラインで観賞した。その後、オンライン会議ツール「Zoom」にメンバーが集まり、それぞれ感想を共有。第5回「フィクションを織り交ぜながら、自分の分岐点について書く」が辿りつくであろう、ひとつのかたちに触れる時間となった。

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「パフォーマンス」という芸術の形式を初めて真面目に見た。

一言で言うと「その場にいたかった」につきる。

誤解を恐れずに言えば、だいぶグサグサ刺さっていますが、刺された傷から悪い血がデトックスした気分で元気になったのはなんだろうという。

2.14(日)

第10回

場所:Zoom

これまでの経験をあらわす

1/1

「メンバーそれぞれがこのスタディを経て残す、成果物のようなものを共有しあえたらと思います。パフォーマンスなのか、企画書の共有なのか、プレゼンなのか、展示なのか、アウトプットのかたちは自由ですが、なにかしら発表していただきたいです」 事前にナビゲーターよりお知らせがあった第10回。メンバーそれぞれがこのスタディから掴もうとしているもの、育もうとしているもの、創り出そうとしているものの試作を発表した。

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なぜか、感想が言えない。とても楽しかったことは確か。

よくわからないものをどうにか共有しようとしているこのスタディも、みんなが『じぶん語』を駆使していて、少しずつ『スタ1語』が生まれているのだろう。

2021.3

3.14(日)

第11回

場所:ROOM302/301(3331 Arts Chiyoda)

誰にもなれない自分の身体に、一番近いコミュニケーションのあり方とは

1/1

「共在する身体と思考を巡って 東京で他者と出会うために」が一区切りとなる第11回。このスタディを経て、メンバーが育もうとしているものの試作を、アーツ千代田 3331内にあるアーツカウンシル東京 ROOM302/301に展示した。予約制のオープンスタジオ形式を取り、それぞれ訪れる時間をずらしながら、試作に触れる時間となった。

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わからないわからないと言いながら、まだわかりたくないんだろうと思います。

あれは私の空間であって、私だけの空間ではないのだと思う。

部屋のそこここにも、散らばる火種。誰がいつ使ったのか気になる。

その後の活動

7.30(金)

スタディの取り組みをまとめた冊子が完成!

1/3

スタディのプログラムのなかで行われた議論やワークショップの様子、スタディに取り組みながら考えたことを、ナビゲーターや参加者自身が綴ったアーカイブブック『東京プロジェクトスタディ1 共在する身体と思考を巡って ー東京で他者と出会うためにー』が完成しました。

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トーキョー・スカルプチャー
・プロジェクト

2027年ミュンスターへの旅

いま、私たちは否応なくふるまいを変えざるを得ません。行動や価値観、感覚の変化をひしと実感する。
それは他者や社会に対してどうふるまうか、どう接するか、どう居るか、
という私たちの日々の「パフォーマンス」の強制的な変化とも言えるかもしれません。
そんな状況のなかで、「東京」で何かを「つくる」ということは、いままで以上に難しい問いになりました。

このスタディは、10年に一度の「ミュンスター・スカルプチャー・プロジェクト」という芸術祭の経験からスタートしました。
街(生活の場)に作品が置かれていますが、10年という時間軸で俯瞰すると、
スカルプチャーという概念が音の作品やパフォーマンス、アートプロジェクトに近いものにまで拡張され、
時代とともに作品の在り方も変化しています。

おそらく「パフォーマンス」も、その概念が拡張したり収縮したり変容していくはずです。
そこには必ずしも悲観的なことだけでなく、何かをつくるうえでのヒントや面白味があるのではないでしょうか。

スタディ2では実際に手や頭や身体を動かして作品を「つくる」ことをナビゲーターやゲストと一緒にやってみます。
「パフォーマンス」という視点を持ちながら、小さい何かをかたちにすることから始めましょう。

ナビゲーターメッセージはこちら

ナビゲーター

居間 theater[東彩織、稲継美保、宮武亜季、山崎朋]パフォーマンスプロジェクト

佐藤慎也建築家、日本大学理工学部建築学科教授

メンバー
  • 内堀律子俳優
  • 小野美幸会社員
  • 柏原瑚子大学生(美術史・視覚文化)
  • 小池陽子ダンサー・振付家
  • 齋藤千春大学生(地理学)
  • 酒井七瀬大学院生(建築学)
  • 篠崎徳光役者
  • 髙橋ひかる大学院生(建築学)
  • 成澤茉由大学院生(建築学)
  • 西島慧子大学職員・研究者(建築学科)・アートマネジメント
  • 野口萌々音大学生(経営学)
  • 藤城滉俊大学院生(建築学)
  • 藤田麻衣タイル制作など
  • 松野麗大学院生(建築)
運営スタッフ

堀切梨奈子日本大学理工学部建築学科 助手

冨田了平フォトグラファー/ビデオグラファー

スタディマネージャー

大内伸輔アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー

村上愛佳アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー

2020.8

8.21(金)

第0回

【スタディ2】ナビゲーター/スタディマネージャーからのメッセージ

1/2

スタディ2「トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト―2027年ミュンスターへの旅」では、ナビゲーターを居間 theaterと佐藤慎也さん、スタディマネージャーを大内伸輔と村上愛佳が務めます。このスタディでは、「パフォーマンス」という視点を持ちながら、実際に手や頭や身体を動かして作品を「つくる」実践を重ねます。 活動をスタートしていくにあたって、それぞれからのメッセージを掲載。ぜひご覧ください。

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2020.9

9.2(水)

第1回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』にむけて

1/8

スタディ2の3年目が総勢23人でスタート。ナビゲーターからのプレゼンテーションでは、スタディ2のこれまでの活動変遷や、『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』に込められた「ミュンスター彫刻プロジェクトのその先を考えたい」という気持ち、今年のスタディでは「つくっているひとと話したり、小さいワークショップのなかで生まれる言語から、作品をたちあげてみたい」というメッセージが伝えられた。

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チームをつくりながら、東京で何かをつくるとしたら、という視点で発見していければと思います。

ROOM302を使う時は必ず検温、お願いします。

アートプロジェクトへの興味の延長で、2017年にドイツのミュンスターというまちの芸術祭を見に行ったことからこのスタディが始まっています。

これまではリサーチやディスカッションが主なスタディでしたが、今年はゲストアーティストと一緒に考え、実践をしていきたいと思っています。

「劇場でない場所にパフォーマンスをどのようにインストールできるか」と「生活の中にあるふるまいをパフォーマンスと呼べるのでは」という興味がドッキングすると、変なことがおこるのではということを考えています。

『パフォーマンスカフェ』という作品は、カフェがカフェであることを維持しながら、パフォーマンスを見ることができる場所にもできないかという実験をしました。

興味や手法は色々変わっていますが、何か一貫してるものもあると思いつつ。

9.27(水)

第2回

場所:ユートリヤ すみだ学習生涯学習センター

すみだ向島EXPO 2020をめぐる

1/12

居間 theaterが出展しているすみだ向島EXPO 2020を3〜4人のグループにわかれて見学。夜には代表の後藤大輝さんと芸術監督の北川貴好さんをゲストに招いてのアフタートークも開催。居間 theaterの《だれかの いま/シアター》と北川さんの《宿の家》について話をすすめるうちに明らかになった両者の時間感覚の違いは、美術と演劇におけるパフォーマンスの違いを考えるための糸口のようでもあった。

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長屋のことを説明してくれた人が「ここは人によっては何故か戸が開かずに中に入ることができないんです。家が人を選ぶんですよ」という言葉が印象に残りました。人が家を選ぶのではなく、家が人を選ぶ。不気味ながら新鮮な発想でした。

長屋の傾いた2階から見える外の景色、無造作に生えている植物、壁にピッタリとはまっているタンス。作品自体よりも、長屋という建築自体が記憶に残ったように思う。

旧邸稽古場の中庭でフォーをいただきました。中庭を囲む住宅に住む人の集いの場になり、コミュニティが生れる空間になっていました。

台本を読みながら「演じながら」客席の隅々まで劇場の隅々までしっかり体感することができた。役になりきり体験するおもしろさとあの空間が丸ごと自分だけのものになり何度か体験したいパフォーマンスでした。

居間 theaterのことは、パフォーマンスでもなく、インスタレーションでもない佇まいがおもしろいと思っていた。

居間 theaterの作品は小倉屋という場所を、僕自身が噛み締めることができた。この建物が生活の中でどう残っていくか、何を新しくしていけばよいのか。そんなことを考えさせてくれた。

他の人がコロナについてどう思っていたか、たまたま選んだテープから亡霊みたいなものと出会えることは、想定していなくて、印象的でよかった。

向島で制作していて、まちのことをわかっている人。そんな人がどうやって向島を捉えて、制作しているのか紹介したかった。

2020.10

10.18(日)

第3回

場所:アーツカウンシル東京会議室

空想地図をつくりながらつかむ都市のリアリティ

1/15

いよいよゲストを招いてのワークショップがスタート。今回のゲストは空想地図作家の今和泉隆行(通称:地理人)さん。地理人さんのつくる『空想地図』は、実在しそうだけれど実在しない都市(=空想都市)の地図。地理人さんのレクチャーを聞いた後に思い思いの空想地図を作成したり、地図を読み込んだり、空想都市での暮らしや芸術祭を想像することを通して、地図をきっかけに立ち上がる(目線で見えている都市とは異なる)都市の特徴に思いを巡らせた。

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空想地図を描くことは、おままごとやごっこあそびに近い。馴染みのある表現手段(地図)で、馴染みのあるモチーフ(都市)を表現すること。あえて自分の手で再現することで何かをつかむこと。

実在の地図には事実があるから想像の余地がないが、空想地図は検索しても事実が出てこない。想像でしか入れない。

水上都市にあこがれがあって、真ん中に水を通した。市民がたちよれる森。きれいな水辺には観光客は来ず、まちの人が遊ぶ場所。昼間はカヌーに乗る。

渋谷を迷わない完璧なまちに再構築しようと、渋谷だけを素材につくった。駅から全て徒歩10分のイメージ。かえってダンジョンを生み出してしまった。

重力がない、映画『インセプション』の世界。風景としての水なので、水はゼラチンで固めてあるようなものでもいい。みなさんにも1回くらい入ってもらいたい。

水路はまっすぐなのに、道路がまがり、水上都市のような場所もある。すっと消える線路や道路が異世界の入り口みたい。

みんなでひとつの地図を見ながら、そのまちのことや、そこで芸術祭をやるならどんなことができるのかとか。あーだこーだ言ってみたい。

駅から川は歩いて10〜15分くらい。駅前から川まではほとんど平たい。駅前の人がめっちゃいるところ、イベント何できる? お店も営業中で、空きテナントとかはないと思う。

期間中は橋が通れないとか、最終日にしか通れない、対岸からしか鑑賞できない、とか。橋への仕掛けが欲しい。

あえて地図で見たときに、目線で見えてることの周りや特徴が地図にはある。ということが伝わっているといいなと思います。

10.23(金)

10.25(日)

第4回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)、江戸東京博物館

“それ”以外をリサーチして、つくる

1/28

ダンサー・振付家・演出家のトチアキタイヨウさんをゲストに招いての3日間のワークショップ。「リサーチの目的は、今はまだ焦点が合わなかったり輪郭がとらえられない物事を予感すること」「焦点をあてたい“それ”以外をどうやってとらえることができるのか」というトチアキさんと居心地の良い場所や目的のないものを探しながら、“それ”以外に目を向けることについて考えたり、試したり、小さな作品をつくってみる3日間となった。

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パフォーマンスをしようかな。

何を見ていましたか? どこを、でもいいです。何かを思いだしたりしましたか? その瞬間に何を思っていたかってよくわかっていなくて、後から思いだすことを大事にしたりしてます。

何かをつくるとき、ここにあるのは目のやり場くらいで、それ以外のすべてが大事なんだろうな、ということを10年くらいやっています。踊ることによって、動くもの、動かないもの、並んでいるもの、変わっていくことを見つけていければいいと思っています。

自分ではちょっと違うなと思ってるけど、他の人に興味を持たれることってあります。そのギャップが、自分でテーマを見つけるのに大事なんじゃないかと思うんです。

自分の言葉だけだとかたちが見えてこないけど、透明人間にお湯をかけると何かが見えるような感じ。作品制作の過程として、テーマに関して関係ありそうで、できるだけ遠いことをいろいろやってみる。リサーチから作品をつくりながら、テーマを深めていく。

じっと構えていると見えないと思う。フォーカスを合わせているところのものは焦点があってよく見えるけど、それ以外をどうやって撮れるか。今はまだ焦点が合わなかったり、輪郭がとらえられないような物事を、予感したい。

幽体離脱したことありますか。硬いものを枕にして寝ると、金縛りにあえるらしいんです。

会議室は情報が整理されていて、まちは情報がいっぱいある。自分のなかに目的がなくて、無目的に過ごそうと思っても情報を気にしてしまう。三角のオブジェは、国技館のかたちとおなじだな、とか。自分以外のものをどうとらえるのかが難しい。

写真を撮っていたらじろじろ見られて、疎外感があった。白菜を買って持っていたら、白菜パワーで見られなくなったり。江戸博に戻ったら見られたり。

目的のないものを探すために、ストーリーを探しがちだと思った。目的のない思考ってあるのか考えた。

みんなを探しにいったら、居心地がいい状態に入っていると風景と一体化してて、存在感が消えて見つけるのが難しかった。

印象に残ったことから、明日は何かを置き換えたり、入れ替えてみたり、試してみましょう。

小さくつくる、かたちにする、をやってみましょう。居心地の良い場所の周りをひとつ何かかたちにしましょう。

置き換えていく、広げる、なかに入れる、とかやってみると、大事な部分が見えてくると思います。

10.28(水)

第5回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“つくること”への思考を広げる振り返り回

1/12

これまでのスタディを“つくること”をキーワードに振り返る。つくることとは何か、つくることによって生まれる作品とは何なのか、作品がもつエネルギーや暴力性との向き合い方・考え方、つくるときの手の動かし方や原動力...この2週間のワークショップでの体験もふまえながら、“つくること”について、思考を広げた。

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つくることにおいて、何が引っかかるのか、どういうことなのか、疑問に思っているのかをざっくばらんに話し合いたい。

作品の線引きがわからない。つくる人が作品とする時も、見る人が作品とする時もある。自分の作品は「趣味ですか?」と聞かれ、「いいえ作品です!」と返すことがある。作品って何か、曖昧で難しいなと思う。

評価されると、他者からも作品として認識されるようになる。でも、自分だけ作品と思っていれば、作品ではある。

何かを手を加えて出す時点で、何かしらの力はかかっている。責任はとれるか、消費してないか、を考えないのはまずい。一方で、「力が働いちゃうから何もしない」と、何も起こらない。

暴力といっても、関係性をつくる段階での暴力と、見せる段階での暴力は違うのかな、と思う。

「過剰な暴力」に対して、「欠落している(成立していない)暴力」もある。

恒久設置は拒まれ、一時的にならば受け入れられる、ということもあると思う。

10.31(土)

11.7(土)

第6回

場所:アーツカウンシル東京

一方的に音を受け取る“手段”を考える

1/17

良い音を出すというよりも「音が鳴ったり、聞こえることの背後に何があるか」を考え作品制作をしているという、アーティストの大和田俊さんをゲストに招いてのワークショップ。テーマは「ふたりで音を交換し、音を一方的に受け取るための“手段”を考える」こと。ワークショップの最後は「日常に戻ったとき、みんな、生物としての状態が変わって音を聞いていると思います」という大和田さんの言葉で締め括られた。

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作品をつくって、きちんとコメントしたい。つくって終わるのは良くないので、もって帰れるような「考え方」を話せるといい。

音を使う方法ではなく、鳴ったり、聞こえること、聞こえないこと、について考えている。制作を進める時は音と関係ないことを考えている。音がある前から、音のことをどうやって考えるか。音が鳴る背後に何があるのか。

聞こえてるものが全てだけど、その背後にあるものがいっぱいあって、その薄い境目が気になっている。ふたりでペアを組んで、音を交換して、相手からの音を「一方的に受け取る」ことを考えてみたい。

自分がつくる時はこういう、課題を解くような答え方はしないけど、普段やっていることから問いを抽出することはできるので、今回はした。なぜか与えられてしまったこの問いを、勝手に受け取って欲しい。課題も質問を受けながら改造していきましょう。

「一方的に」ということばが難しい。どういうことなんだろう。

交換した音を、音でアウトプットするというのは堂々巡りになりそうで、どうやって考えたらいいのだろう。

「音」を交換して、勝手に知覚する方法を開発するってことですよね。

そのためには生物としての状態を変える必要がある。条件はあまり細かく設定しないで、プレゼンを終えることができればいい。アートなので、報告はしないで欲しい。実現できそうで、クリエイティブなことをやって欲しい。一方的に受け取ることを、真に受けて欲しい。

全員が、音について違うことをやってきたことがおもしろいし、それが普通。日常に戻って「聞く」行為にもどった時、みんな違って聞いていると思う。生命の状態が変わっている、ということが大事だと思います。

みんなが今回の僕の問いに答えられることが不思議だった。一回、日常に戻った時にどう感じるか、が大事だと思う。やったことについて話すことは誰でもできるし、もち帰るものがあるといいなと思います。

2020.11

11.11(水)

第7回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“問い”をひらく・“トーキョー”を想う

1/10

「ワークで経験した“つくること”から各々の “問い”を抽出し、メンバーに共有する」という手法での振り返り。ナビゲーターの佐藤から「今後『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』がどう進んでいったらおもしろくなりそうか」と大きな問いが投げかけられると、“スカルプチャー(=作品・つくること)"だけでなく、“チームで取り組むプロジェクト(=問いをひらく)”や“トーキョー”についてじっくりと話す機会となった。

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みんなの抽出した問いを、どうやって他者とシェアしていけるかを考えてみたい。それから、今後のスタディが大きくどう進んでいったらおもしろそうか、という話をしたい。

生活のなかで、自分が動詞から出している認識してない音を抽出してみたい。椅子がずれる音、歩く音、お箸とお茶碗が擦れる音。動詞から出している音の、動詞の前にくるものは何だろう。

ワークでは意識するためにたくさんのことをやった。じゃあ、どこが無意識なんだろう? その境目は?どこが無意識かを思う時点で、意識してしまっていて。そこのジレンマがおもしろい。

最終的にはスタディ2というアーティストのチームとして、ミュンスターを見据えた作品(=スカルプチャー)を考えたい。チームとして考える時には、プロジェクトをひらくという感覚があると思う。「トーキョー」を扱うためにはリサーチが必要。

1、2年目は通り過ぎてるものを二度見するような2年間だったと思うけど、3年目の所作は変わるのだろうか?

東京を好きになりたい。

2020.11.14(土)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会1

8月からスタディ1も含め3つのスタディが始動し、参加者たちとナビゲーターが共に活動を行ってきた。共有会1では、半年間の折り返しとなるこのタイミングで、それぞれの活動を共有。参加者はオンラインで、ナビゲーターとスタマネはSTUDIO302に集合し、各スタディらしく活動を紹介した。

2020.12

12.11(金)

12.13(日)

第8回

場所:12月11日(金)ROOM302(アーツ千代田3331)/12日(土)竹の塚〜北千住 /13日(日)アーツカウンシル東京

デートをして、シナリオを書き、上演してみる

1/22

「テーマにしようとしているわけではないが、人がかかわろうとしているところを作品にすることが多い」というアーティストの友政麻理子さんをゲストに招いて3日間のワーク。友政さんが最近興味があるというデートについて、調べ、話し、実際にデートに出かけ、シナリオを書き、さまざまな手法で取り組んだ。最終日には各々が書いたシナリオを全員で即興的に上演し、しだいにスタディメンバーのなかには不思議な一体感が生まれていった。

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自粛前期間から誰かに会ってどこかに行くことに興味があって、デートについて考えていました。コロナ禍も挟んで、人が人を連れ立ってどこかに行くこと、デートって何かを考えたいと思っています。

明日は、何も考えずに普通に、デートをしてみたいと思います。元渕江公園の入口にある銅像の前に13時に集合して、くじ引きで決めたふたり組でデートをしてもらい、夜、北千住で再集合します。

緩やかに、再集合場所を目指してください。時間の使い方や行き方の指定はないです。

デート初心者なのでコツとかはわからないんですけど、良いデートを目指しましょう! 行ってらっしゃい〜

生物園をじっくり見た後、バスで北千住へ。ご飯を食べようと、20分くらい並んでいる間には何を頼もうか相談していました。パートナーはずっとニコニコしていて、男子だったら好きになっちゃうと思って。デートにまつわる話をしながらデートしていた感じです。

公園のベンチでお話ししてたら2時間くらい経っていました。パートナーはこの後、彼氏と本物のデートに行くらしく、冷えても良くないからと喫茶店に行くことになったんです。調べようと思ったら「通り道にあるのでいいです」と言われたり、迷子になってしまったら「新しいまちを歩けて楽しいです」と言われてキュンとしました。

駅前のスーパーでアツアツの焼き芋を買ったけど、食べるロケーションにこだわりすぎて、結局食べることができませんでした。いまはもう冷めちゃいました。デートっぽい写真、無理して撮るのも良くないね、となって、結局撮らなかったです。

デートはRomantic Appointment とも言うらしいと教えてもらいました。パートナーは「約束していないしロマンティックではないからデートじゃないね」と言ったけど、僕は前日ドキドキしていたからデートだと思いました。

最終日は、今日までのことを参考にしてデートをテーマに、他の人が演じることを前提としたシナリオをつくって欲しいです。このワークの作品はシナリオだけど、シナリオを居間 theaterのノウハウで上演してみるところまでやりたいと思います。

シチュエーションごとにAとBのペアが変わっていく、10人でやるシナリオです。別れ際について考えています。

演じる人に起きた変化を見たいと思って書いた、設定だけがあるシナリオです。昨日、スタディでデートした後に彼氏とデートしたら、ちょっと悪いことしてる気分になって。罪悪感の振り幅が人によって違うと思いました。演じる人にも観る人にも、罪悪感やざわざわ感を感じて欲しいと思います。

じゃあ、上演してみましょう。演者でない人も、美術とか照明とか、お願いします。カメラのコード持っていてくれる人、募集してます。

3日間でデートについて色々考えて、勉強になりました。私がやっている映画サークルにもぜひ参加してください!

12.16(水)

第9回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

“デート”の振り返りと最後のクリエイションに向けて

1/6

友政さんとのワークの振り返りでは“デート”というテーマに色々な手法で取り組んだからこその気付きや問いが交わされた。後半にはナビゲーターから、年明けに行う最後のクリエイションのふたつの目標「体験・鑑賞してもらう作品を、自分自身が興味のあるテーマに触れながら自覚的につくる」「パフォーマンスをしている(演じたり、ふるまいに自覚的になる)状態をつくる」と、クリエイションにおける共通のテーマとして、(フィクションの)“検査”が提示された。

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今日は、友政さんとのワークを振り返りつつ、1月のクリエイションの相談をしたいと思います。まずは振り返りから。どうでしたか?

「デート」って言葉をこんなにたくさん言ったことはなくて、いままで使った回数を超えてしまったし、一生分言ってしまった気がする。自分が書いたシナリオが上演されるのは、すごく恥ずかしいなと思いました。

デートのいい思い出がないし、嫌なイメージしかなかったけど、Romantic Appointmentと言われるとファンタジーな感じがするし、「ポ」の音がかわいい。

「デート」は手垢がつきすぎてる言葉だけど、言葉を新しくすると面白いのかも。

誰かのシナリオを演じているうちに、自分がその人に感情移入できた感覚があった。シナリオの作者の気まずさをどんどん感じてきていた。

2日目の“デートごっこ”というフィクションを経験して書かれたフィクションのシナリオが、上演されると演じた人のリアルになっているようでおもしろい。

友政さんの目力がすごかった。おもしろく人のことを知ろうとしていると思った。

上演をしているうちに気がついたら一体感が生まれ、みんな何かの役割を持っているのがすごく面白かった。

次は1月に居間 theaterと“何か”をやって、今年度のスタディは終わりです。

最終的にやりたいのは、人に体験・鑑賞してもらう作品を自分自身が興味のあるテーマやひっかかることに触れながら自覚的につくることと、パフォーマンスをしている状態をつくること。それぞれの興味から小さな作品がありながら、全体がひとつの大きな作品になるような形式をイメージしています。

演じるきっかけとして「検査」をテーマにしたいと思います。このご時世で検査は誰もがドキッとする言葉だけど、空港の手荷物検査や水質検査など、無限に読み解けます。違う印象をうける言葉でありながら、よく使われる言葉で、ふるまいのバリエーションがあると思います。

年内にアイデアを出してください。パフォーマンスでもいいし、ものをつくってもいいです。シナリオを書いて誰かに演じてもらうのもいいし、複数人でつくってもいい。年明けに、ナビゲーターと相談しましょう。

行為としては「検査」をするけど、検査をして白黒つけてもいいし、よくわからない答えが導き出されてもいいです。

これまでの4回のワークは、短期的に個別につくったけれど、最後の1回は居間 theaterにアイデアを共有してもらった上で全体のディレクションをしていく予定なので、そこがちょっと違うかもしれません。

全体のディレクションは、みなさんからのアイデアが出てきてから考えます。「検査」はあくまで考えるきっかけで、いままでやってきたことを各々振り返って欲しいなと思います。年末までにアイデアを投げてください。誰かに協力してもらいたいときは、オファーも年内くらいに。

良いお年を~!

2021.1.31(日)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会2

各スタディとも終盤に差しかかったところで、2回目の共有会をオンラインで開催。ナビゲーターから、活動の内容や、メンバーで議論するなかで見い出した課題について発表した。スタディメンバーも登場し、それぞれの問題意識や制作している成果物について語った。
3つのスタディに共通して、「出会い」や「コミュニケーション」というキーワードが出てきたことから、コロナ禍である現在の状況に対して、それぞれが応答を試みていることがわかった。

1.22(金)

3.7(日)

クリエイション

場所:オンライン、ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

変化する社会状況の中でつくる

1/5

会場に訪れたお客さんに“検査”を体験してもらうことを前提に始まった最後のクリエイションだが、2021年1月8日の東京都への緊急事態宣言発出を受け、“対面”での活動と発表ができないことに。その状況下でもつくることはやめず、社会状況と共存しながらできることを考えていくため、“検査”というフィクションに“郵送”という手段を共通テーマとして加え、“非対面”での本番として『パフォーマンス検査(キット)』が開催された。

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緊急事態宣言発出後に新たな動きがあり、創作・稽古・本番全て対面はNGになり、現状の、部屋を分けて鑑賞者と非対面の作品をつくるプランも難しいと判断し、1月の本番の発表は中止にします。しかし最後の創作はやめたくないので、創作は全てオンラインで行い、2〜3月にかけて創作・発表を目指します。いま考えていることをベースに新たな形態を考えて、おもしろいものを作りましょう!

お客さんと対面できないという距離があるので、「検査キットを送る」という大枠としたいと思います。お客さんには、3月に何日かにわけて、封筒や箱で「検査キット」が送られてくるようにしたいと思います。

郵送する期間をだらだらと続く「上演」であり、検査という名目で色々なことが起こると捉えることで、みんながつくるひとつひとつは個人戦だけど、作品全体としては団体戦と考えられないかと。お客さんは、送られてきたものをやってもやらなくてもいい、ということをどう考えるか?

ネットにあるpdfでもデータでもなく、送られてくる郵送物がスカルプチャーで、それが上演になっているようにしてみたい。

言語レベルだとHOW TOになってしまうので、スカルプチャー的な表現をして解釈が受け手に委ねられる方がおもしろいかも。大事な問題を言語化すると共有できるけど、言語で解決しようとすると、言語の沼におちる気がする。

興味に対して、個人的な感覚だけでつくると、わかる・わからないで終わるし、社会的なものだけでつくると、説教くさくなったりするから、個人的な感覚と社会的な感覚の両方を入れることができるといいと思うんです。

日々作業と思考、おつかれさまです!それぞれのアウトプットがだんだん見えてきました。バリエーションが豊かでおもしろそうです!残りの制作日も少なくなってきて、それぞれの進み具合など、よければ現状をSlackで共有してください!

3.8(月)

3.20(土)

郵送上演

『パフォーマンス検査(キット)』

1/3

「トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト ―2027年ミュンスターへの旅」の成果発表 として『パフォーマンス検査(キット)』の郵送上演を行った。メンバーとナビゲーターで議論を重ねながら「つくる」ことをテーマにスタディをおこなってきた。 作品をつくるための種を探す。かたちにしてみる。どんな目線で、何の・誰のために、どんな態度でつくるか考える。そういった小さな作業を重ねた半年の成果が、一般募集と関係者を合わせた40名に届けられた。

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その後の活動

4.17(土)

振り返り回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

上演時間をつなぎあわせるような最後の振り返り

1/8

“つくる”ことの後に恒例となった振り返り回。『パフォーマンス検査(キット)』を終えたスタディメンバーは作者として、お客さんとして、両方の立場からの思考や出来事、気づきを振り返り、作者とお客さんが時間と空間を共有することができなかった作品の、それぞれの上演時間をつなぎ合わせるようなやりとりにも感じられた。ここで、東京プロジェクトスタディとしての『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』は一区切りを迎えた。

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4日ぶりに自宅に帰ったら、いっぱい手紙、届いてましたー!

17人くらい返信がかえってきました。性別も年齢も書いてもらってないので、どんな人が書いているかわからなくて、返ってきた「目」だけをみているのがおもしろかったです。「目」を集めてお花見をしている絵を描いたので、またお客さんに送ろうと思います。

宛先がアメリカのものが1つあって、まだ届いていないみたいです。大阪の港についたあとは音信不通です。居間 theaterは、12通をいろんな方法で送ったので、郵送する手段にとっても詳しくなりました。

郵送されてきたものって一方的に受け取ることが多かったけど、今回は送り返す行為がいくつもあったのが新鮮でした。

こちらから送るときはAmazonスタイルで、お客さんが送り返してくれるときはメルカリスタイルだと感じました。

パフォーマンスをやる上演空間とか展示空間ってあたりまえにお客さんが目の前にいて、パフォーマーも演じながらお客さんを観れるけど、それができないから、今回の作品の上演空間はどこなんだろう、どう切り取るとパフォーマンスと呼びうるのかな、と思いました。

顔は見えないけど相手がいるっていうのがパフォーマンス的なところだと思う。美術館で絵画をみてもらうのとは違う相手。パフォーマンスをするときに目の前にいるのとは別の相手がいるんだと思う。

この1年間、小さい「つくる」をかさねるなかで、一緒にさまよってもらえてよかったです。その場で考え、感じて、やってみることをしたり、この状況だからこそ立ち止まって考えられる時間だったと思います。

スタディはこれでおわりで、これからは『トーキョー・スカルプチャー・プロジェクト』という任意のサークルです。もしよければ、今後ともどうぞよろしくお願いします。

7.30(金)

スタディの3年間の活動をまとめた冊子が完成!

1/5

ドイツの芸術祭「ミュンスター彫刻プロジェクト」を考えることから始まったこのスタディ2は、彫刻、公共、東京、美術/演劇、などのキーワードを元に2018年から3年間実施しました。スタディの集大成として、活動の流れとそのなかで交わされたことば、そして活動のなかで生まれたさまざまな問いを記録した冊子を制作しました。

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Cross Way Tokyo

自己変容を通して、
背景が異なる他者と関わる

自分とは異なるルーツを持つ人とコミュニケーションをとろうとするとき、何かしらのハードルを感じる人は多いのではないでしょうか。
『移民』や『難民』ということばや、海外にルーツを持つ人々に関連したニュースが増えている昨今、
「多様性を尊重したい」と感じているものの、積極的に関わるきっかけを持てなかったり、
実際にその立場になると尻込みしてしまったり。

さまざまな背景を持つ人々が暮らす都市・東京では、
誰しもが日々のなかで自分とは異なるルーツを持つ人々とすれ違っているはずです。
もしそうした人々と関わりを持ちたいと思ったとき、どのように関係性を築いていくことができるでしょうか。
専門的な技術やイベントを介した出会い方だけではなく、
それぞれの日常の延長線上で実践できることはないのでしょうか。

このスタディは、背景の異なる他者と関わろうとするときに自身のなかでハードルとなっている要素とは何か、
思考をほぐすことからはじめます。
時には文章を書いたり、身近なまちを見つめ直してみたり、インプットとアウトプットを重ねながら、
自身のなかにあるハードルを越えていくための「態度と実践方法」をまとめたメディアを立ち上げることを通して、
自身の思考を更新していくことを試みます。

ナビゲーターメッセージはこちら

2020.8

8.21(金)

第0回

【スタディ3】ナビゲーター/スタディマネージャーからのメッセージ

1/2

「スタディ3|Cross Way Tokyo」では、ナビゲーターを阿部航太さん、スタディマネージャーを上地里佳が務めます。 このスタディでは、背景の異なる他者と関わろうとするときに自身のなかでハードルとなっている要素とは何かを探り、ハードルを越えていくための「態度と実践方法」をまとめたメディアを立ち上げ、自身の思考を更新していくことを試みます。 活動をスタートしていくにあたって、それぞれからのメッセージを掲載。ぜひご覧ください。

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8.22(土)

第1回

場所:Zoom

私にとっての「移民」とは

1/5

「自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」をコンセプトに、移民・難民など異なるルーツを持つ他者に対し、どのように意識のハードルを取り除き関係性を築き上げていけるかを探るスタディ「Cross Way Tokyo」がスタートした。第1回は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ウェブ会議で実施。スタディ参加メンバーの自己紹介をした後、テーブルに分かれ、「移民」についてイメージを共有し合い、第2回で行われるレクチャー講師・海老原周子さんに質問したいことを話し合った。

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自分の言動が相手にとってタブーなものでないか、不安で心配で...。

私は東京における移民なのだろうか。

「移民」という言葉があることで、彼らの存在が確かに見えてきますよね。

高級住宅街に住む外国人も移民なはずなのに、なぜか「移民」と聞くと、工場や飲食店で働く外国人をイメージしてしまう。

カナダやアメリカに移民として行くのは、なぜかお洒落で憧れみたいになってますよね。

2020.9

9.5(土)

第2回

場所:Zoom

「移民を取り巻く構造を現場から学ぶ」

1/4

第2回のスタディでは、ゲストに、アートなどを通じて外国人人材の育成事業を行う一般社団法人kuriya代表理事の海老原周子さんを招いたレクチャーを実施した。第1回でまとめた、移民に関するいくつかの疑問に対し、海老原さんが回答しながら、日本に住む移民が直面する社会的課題や、国の政策的課題などについて解説。参加メンバーが熱心にメモを取りながら、移民の存在について思いをめぐらせた。

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結局、移民だけでなく自分たち日本人にも通じる話?

僕たちが向き合おうとしている海外ルーツの人ってどういう人なんだっけ。

できることは何か知りたいです。

私が知っている外国人の友だちは、孤立とか、そういうのは全くいない。海外ルーツを持っているから孤立しがち、っていう先入観は嫌だな。

9.26(土)

第3回

ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

ハードルを越えるための「態度」を探る

1/5

第3回は、参加メンバーが初めて対面で顔合わせ。 この日は、人種差別反対を訴えるブラック・ライブズ・マター運動を特集した雑誌の一部を全員で順番に音読する試みから開始し、感想を共有。さらに、身近な差別問題や、日本における移民・難民にまつわる問題などに関して意見を交わした。 後半では、今後どんなことをしたいかをアイディア出し。自分たちの手でスタディをかたちづくっていく作業が、本格的に動き出した。

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トルコレストランで、『ありがとうございました』とトルコ語で言いました。そしたら店員さん、人が変わったみたい。出身を聞かれて、私が『台湾です』と答えたら、『私たちみんな同じ日本で頑張ってますね』って。

モスクでお祈り体験してみようかと思ったら、結構本格的で、気軽に参加していいのかわからない、ていうかダメそうだなと思い、心折れました。

フランスでは、『元気ですか』みたいなあいさつが結構あったのに、東京では一切ないし、なんなのかな。時間がないのか。

ちょっとわかんない気がしてきました。大坂なおみ選手が音楽つくってればそういう風に聴く...なんでしょう、ちょっと何言ってるのかわかんなくなってきました。

2020.10

10.10(土)

第4回

上野恩賜公園 / ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

上野のまちで、他者の存在に目を凝らす

1/6

この日は初めてのフィールドワーク。 ゲストでライター・エッセイストの金村詩恩さんのレクチャーを受けながら、上野公園や東上野コリアンタウンなどを散策した。 フィールドワークでは、まちなかに点在する、背景が異なる他者の存在を示す”サイン”を見つけるというもの。参加メンバーは、張り紙や看板、神社の絵馬、飲食店のメニューなどを写真に収めながら、自身とは異なる他者の存在を感じ取ろうとした。

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新大久保よりも、より街に溶け込んでいるコリアン街って感じ。

外国食材の地下街、匂いは好きだけど、入るときに毎回ちょっと緊張する。なんで緊張するんだろう。

触手を伸ばすことで、新たな恐怖を生んでいるのでは。

10.24(土)

第5回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

身の回りの日常を他者の視点で捉え直す

1/6

上野一帯でのフィールドワークを行った後、スタディメンバーは各自、自宅周辺でのフィールドワークを宿題として実施。この日は、その成果を発表し、今後取り組んでいきたいトピックを考えた。

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(まちを散策すると)飲食店は、インドやスリランカなどのカレー屋さん、ケーキ屋さんはスイス。美容・マッサージ系は韓国やタイ。歯医者は『スウェーデン方式』とか『ドイツ方式』とか。技術的なものはヨーロッパっていうのが、なんか説得力を感じてしまう。

同じ世界に違う世界が共存しているのが面白いなあ

声をかけてみようと思ったんですけど、難しくて

2020.11

2020.11.14(土)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会1

8月から3つのスタディが始動し、参加者たちとナビゲーターが共に活動を行ってきた。共有会1では、半年間の折り返しとなるこのタイミングで、それぞれの活動を共有。参加者はオンラインで、ナビゲーターとスタマネはSTUDIO302に集合し、各スタディの工夫やチームの様子が垣間見れる活動紹介が行われた。

11.21(土)

第6回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

メディアの構築性を学ぶ

1/6

第6回は、映像人類学研究者の川瀬慈さんを招き、メディア表現の手法についてのレクチャーが行われた。 川瀬さんが用意したさまざまな映像を見ながら、ドキュメンタリー映像の類型を学んだ後、グループに分かれ、スマートフォンを使用しての短編映像制作に取り組んだ。

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ゲイやムスリムといった表立って語られないテーマだからこそ、(作品制作の)プロセスを開示するしているのでは

あざとさというか...拒否している人たちを意図的に利用しているようにも見える。それは表現としては成り立っているのでしょうか

メディアはつくり手の意図により構築されていく。狡猾(こうかつ)な計画・狙いによりつくられる創作物だということを、声を大にして言いたい

撮っていくなかで裏切られることが多かったと思う。そのギャップが生まれているんだろうなというのも含めて、見ていて楽しめました

2020.12

2020.12.5(土)

第7回

分科会で学びを得つつ、トライアル制作に

第7回はメンバー全員で集まることはせず、各自で活動。
それぞれが目指すメディアの、言わば“お試し版”であるトライアル作品の制作に励んだ。
並行して、第6回の活動日以降は、メンバーが数人ずつで「分科会」を構成。自主的に連絡を取り合いながら、互いにアドバイスやフィードバックなどを送り、トライアル制作に生かした。

Text=鷲見洋之

12.19(土)

第8回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

トライアル作品制作でメンバーたちが得たもの

1/6

第7回はメンバー全員で集合はせず、各自でトライアル作品づくりに取り組んだ。それぞれが試行錯誤しながらひとまずのかたちとしてこしらえたものを、第8回のこの日、再びROOM302に集合して発表、メンバー間でフィードバックを送り合った。

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誰に向けて書くのかを全く考えずに取り組んでしまった。

公園に行って知らない人に声かけてみようかとも思ったのですが、怪しい人に思われるだろうなと。

皆さんがサラッとやられているようなところも、僕はかなり悩ましくて...。

言い方悪いけど、身内のノリでやっていきたいなって。

2021.1

1.9(土)

第9回

場所:Zoom

原点に立ち返り、本制作への助走を開始

1/5

トライアル作品の制作は、メンバーたちにさまざまな気づきや、新たな課題を与えた。だが、一度のトライアルを経ただけでは解消されない疑問や悩みはたくさんある。ほとんどのメンバーは、メディア業界で働いているわけでもなく、専門的に学んできたわけでもないからだ。第9回のこの日は、試行錯誤を続ける各メンバーが、コンテンツ内容の方向性の決定や、技術的課題の明確化とその解消などを目的に、主にナビゲーター阿部航太と一対一で面談。時には、「なぜやるのか」といった根本部分を改めて考えるなどしながら、本制作に向けて議論を深めた。

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そこを避けて通っていてもいいよなというものなら、コンテンツにする必要はない

インタビューしてると、その思い込みが崩れていくんです

はっきり言って不安しかない感じですが、頑張って書きます

リモートだと、ワークショップは集客的・質的にも難しいなという結論になりました

1.17(日)

2.7(日)

第10回

場所:Zoom

課題を潰しながら、制作のギアを上げる

1/2

前回に続き、第10回もメンバーがナビゲーターの阿部航太と面談を重ねた。 進捗共有のほか、新たに出てきた困難、悩みなどについて議論しつつ、プロジェクト制作の方向性を模索。3月末のスタディ終了を見据え、制作のギアを上げにかかった。

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価値観の違いが楽しいと感じてほしい

『みんな違ってみんな良い』に着地してしまうと、メディアになり得ないのでは

(新型)コロナ(ウイルス)もあって、イベントはやめようと思っています

スタディが終わった後、どういう位置付けでやっていこうかなって

2021.1.31(日)

3つのスタディ参加者が集まり、活動を共有する会

「東京プロジェクトスタディ」合同共有会2

各スタディとも終盤に差しかかったところで、2回目の共有会をオンラインで開催。ナビゲーターから、活動の内容や、メンバーで議論するなかで見い出した課題について発表した。スタディメンバーも登場し、それぞれの問題意識や制作している成果物について語った。
3つのスタディに共通して、「出会い」や「コミュニケーション」というキーワードが出てきたことから、コロナ禍である現在の状況に対して、それぞれが応答を試みていることがわかった。

2021.2

2.27(土)

第11回

場所:Zoom

ゲストふたりが再登場、メンバーひとりひとりに送られた金言とは

1/6

大詰めを迎えたスタディ3「Cross Way Tokyo」。第11回は、過去にゲストとして講義やフィールドワークを企画してくれた、ライターでエッセイストの金村詩恩さんと、映像人類学研究者の川瀬慈さんのふたりが再登場。メンバーがひとりずつ、自身のプロジェクトの進捗を共有し、直面している課題や悩みについて助言を求めた。

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伝わりやすい構成を考えたときに、どこまで切ってどこまで残すのか。

すごいつまらないコンテンツになってしまったなあって。

聞きたいことを聞こうとしている。インタビューで一番やっちゃいけないことだと思います。

自分自身も多面的なクレオールな要素、流動的存在である。

2021.3

3.28(日)

第12回

場所:ROOM302(3331 Arts Chiyoda)

8ヶ月間の歩みを振り返る。そして5年後の自分へ

1/7

「自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」をテーマに、2020年8月からそれぞれメディア制作に取り組んできた12人。ついに、一堂に会す最後の日を迎えた。 最終回の第12回は、個々のプロジェクトが並ぶプラットフォームとなるウェブサイトの構想がナビゲーターの阿部航太から紹介され、全員で意見を言い合いながらサイトの名前を決定。 その後のグループディスカッションでは、各人がメディアのプロジェクト名のアイディアを発表し、お互いにフィードバック。 プログラムがすべて終わった後も、メンバーたちはROOM302に残り、話に花を咲かせながら別れを惜しんだ。

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TOKYOではなくて、ローカルな意味での東京に目を向けたい。

地縁とか関係ないけど過ごせちゃう。エイリアンみたいな感じなんなんだろう。

あーわかります。何回同じこと書くねんみたいな。

日本に来て、日本社会に溶け込みたいから変化すると。でもその変化は必要なのか?

その後の活動

7.12(月)

ウェブサイト「関わりの記録」がオープン!

1/1

スタディに参加したメンバーが、ウェブサイト「関わりの記録」を立ち上げました。スタディでそれぞれが取り組んだ、メディアづくりや、関心事を深めるトライアルを集積させ、メンバーそれぞれの関心や課題意識を軸に運営されるメディアです。

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7.12(月)

スタディの取り組みをまとめた冊子が完成!

1/3

「東京プロジェクトスタディ3 Cross Way Tokyoー自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」のプロセスをまとめたドキュメントブックが完成!スタディでの活動のなかで生まれた議論、思考を記録した「スタディ」パート、スタディを通して立ち上げたメディアを紹介する「メディア」パート、2つのパートで構成されています。

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8.29(日)

オンラインイベント

2人の芥川賞候補作家が見た「関わりの記録」とは? CROSS WAY TOKYOウェブサイトローンチイベントが開催

1/5

2020年度に実施された、Tokyo Art Research Lab 東京プロジェクトスタディ3「CROSS WAY TOKYO ―自己変容を通して、背景が異なる他者と関わる」を通じ、参加者たちが制作したメディア作品を掲載するウェブサイト「関わりの記録 Reflective Notes」のローンチ記念イベントが8月29日(日)、ROOM302(3331 Arts Chiyoda)で開かれた。 ゲストに作家の小説家の温又柔さんと木村友祐さんを招き、自己と他者との関係性について参加メンバーと意見を交わし、作品を寸評し合った。

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“東京で何かを「つくる」としたら”という投げかけに対して行われた、
さまざまなスタディ(勉強、調査、研究、試作)の記録です

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